研究課題/領域番号 |
20K17760
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
横手 芙美 帝京大学, 医学部, 非常勤助手 (80868919)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 気管軟骨 / 気管軟骨再生 / bFGF / 塩基性線維芽細胞成長因子 / グリコサミノグリカン / II型コラーゲン / 軟骨再生 / b-FGF / basic FGF / 肺葉切除術 |
研究開始時の研究の概要 |
基礎研究において気管軟骨の幹細胞の局在の差と、伸長速度が短軸と長軸、腹側と背側では異なることを発見した。本研究では、気管軟骨創傷治癒モデルを作製し、幹細胞の局在の差と軟骨の伸長方向による接合条件を解明する。さらに、気管支断端を新生軟骨で閉鎖するプロトタイプシステムを開発する。
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研究成果の概要 |
ウサギの気管軟骨の新生軟骨実験モデルを確立した。吻合のみ行なったコントロール群と、吻合直前にb-FGF注入した群それぞれの症例で機械的、組織学的、生化学的な評価を行った。b-FGF注入群では気管吻合部に新生気管軟骨が再生され、コラーゲンタイプ2とグリコサミノグリカンの量が有意に増加しており、組織学的・生化学的に有意差を認めた。また、引張試験では,FGF群の吻合部は対照群の吻合部よりも剛性が有意に高いことが示された。さらにb-FGF群では吻合直前に吻合部に1回だけb-FGFを投与することで、軟骨再生が起こることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺切除後の気管支断端瘻は、重篤で治療に難渋する合併症である。気管支断端瘻発生の危険因子は、断端部の虚血が一因と考えられている。これまでの研究では断端部を有茎筋弁などで被覆する予防手術が推奨されているが、線維性肉芽組織による創傷治癒では完全な予防にはならない。本研究からbFGFを単回注入することにより、ウサギの気管軟骨の再生が有意に促進され、再生した軟骨が吻合部を橋渡しすることで吻合部を強化することができた。この技術により将来的に気管吻合部の補強に臨床応用できる可能性がある。
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