研究課題/領域番号 |
20K17802
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
根本 晃 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (00815095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 周術期認知機能障害 / 術後認知機能障害 / サルコペニア / 運動療法 / 骨格筋 / ミオスタチン |
研究開始時の研究の概要 |
国内では高齢化が進行し、手術後合併症の1つである術後認知機能障害(POCD)は加齢に伴い発症率が増加する。高齢者において、POCDは手術のQOLを低下させる要因となることに加え、死亡率増加にも関与しているが、その発症機構は複雑であり未だ不明な点が多い。一方、加齢に伴い骨格筋量は低下し、骨格筋抑制因子であるミオスタチンの増加が認知機能障害に関与していることが知られている。 そこで、本研究ではミオスタチン(GDF8)を7日間連続皮下投与することで作製した骨格筋衰退モデルマウスを用い、骨格筋量の減少がPOCDのリスク因子となり得るか否かを検討する。
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研究成果の概要 |
ミオスタチン遺伝子ホモ型ノックアウト老齢マウスにおける周術期認知機能障害予防効果を検討した。比較群は野生型と同じ表現型を有するヘテロ型ノックアウトマウスを使用した。 雌雄混合12か月齢を使用し、Morris水迷路と恐怖条件付け試験による認知機能評価を行った。神経新生評価として、行動試験後に海馬内脳由来神経栄養因子定量比較も併せ行った。ホモ型ノックアウトマウス群ではヘテロ型ノックアウトマウスと比較して水迷路、恐怖条件付け試験共に術後の認知機能改善効果を認めた。また、脳由来神経栄養因子もホモ型において有意に高値であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手術前の骨格筋量保持が周術期認知機能障害予防の一助となることが明らかとなった。運動療法には骨格筋量増大効果及び環境改善効果を有しており、これまで運動療法や環境改善効果は認知機能改善に有効であることが知られていた。本研究では骨格筋量増大のみでも一定の周術期認知機能障害予防効果を有することを示した。手術前DEXAや体組成計などによる骨格筋量定量検査が認知機能障害リスク指標となるのみならず、術前運動療法を要する患者の選定に寄与するものと考える。
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