研究課題/領域番号 |
20K17837
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上野 喬平 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (30833131)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 糖尿病 / 好中球機能 / インスリン抵抗性 / PI3K-Akt / NETs / 好中球貪食能 |
研究開始時の研究の概要 |
世界中で糖尿病患者数の増加が生じており、手術を要する糖尿病患者数も増加している。しかし、術前血糖管理の至適期間に関する報告はほとんどない。 先行研究において、慢性高血糖マウスにおいて障害された好中球貪食能が、術前インスリン治療において、インスリン抵抗性の改善と共に好中球貪食能が回復し、その効果が術後も継続することを示した。先行研究の結果から好中球貪食能とインスリンシグナル伝達には共通の分子経路が存在し、その経路の改善が好中球貪食能の改善の理由であると仮説を立てた。本研究では、慢性高血糖マウスにおける好中球機能改善のメカニズムを明らかにし、至適な術前血糖管理期間を調査することが本研究の目的である
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研究成果の概要 |
インスリン療法が糖尿病患者での好中球機能を改善させるメカニズムにPI3K-Akt経路が関与するかを調べた。マウス好中球では群間でリン酸化Aktの発現に変化を認めず、また、結果に一貫性を認めなかった。好中球様細胞に分化するHL60細胞を用いて貪食実験を行い、Aktの発現を調べた。貪食実験ではPI3K阻害薬で処理すると、分化HL60細胞の貪食率は低下した。高グルコース培地で培養した分化HL60細胞はLPSやLPS+インスリン刺激を行うことで、Aktの発現が増加した。以上から、In vitroで分化HL60細胞のAktの発現が増加すると、分化HL60細胞の貪食能が増加する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インスリンは血糖降下作用のほかに、好中球に作用し異物を貪食する能力を増加させたり、過剰な炎症である好中球細胞外トラップの産生を低下させたりする作用を持っている可能性がある。これらのメカニズムには、好中球細胞内のAktの発現が関与する可能性がある。貪食能に関与するAktの発現は、マクロファージや単球での報告はあるが、好中球での報告はほとんどない。糖尿病患者の術前の適切な血糖管理方法を模索するために、感染防御の最前線で機能する好中球の機能の解明は欠かせない。
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