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mtDNA異常疾患iPSモデルにおける麻酔薬の神経系への影響と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17845
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

森田 知孝  国際医療福祉大学, 医学部, 研究員 (30546924)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード神経保護効果 / 神経毒性 / 麻酔薬 / カルシウムイメージング
研究開始時の研究の概要

プロポフォールは酸化的リン酸化の脱共役剤としての作用によりミトコンドリア機能を抑制し,プロポフォール注入症候群(PRIS)の原因の一つと考えられる.一方で,ミトコンドリアDNA(mtDNA)異常によるミトコンドリアの機能低下でミトコンドリア病(MD)が発症する.しかし,変異型mtDNAとMDの発症・病態との関係については十分な知見を得られてない.
本研究では,mtDNA異常を有するマウス初代培養大脳皮質神経細胞に,静脈麻酔薬や吸入麻酔薬を投与して麻酔薬の神経細胞への影響とその機序を解明し,MDまたはPRIS罹患者にとって最も安全性の高い麻酔薬の選択ができるようにする.

研究成果の概要

妊娠17日目のウイスターラットより胎児脳を取り出し,大脳皮質神経細胞の初代培養を行った.14日間の培養の後,レミマゾラム,ミダゾラムの神経保護効果を神経細胞に投与し,直後に24時間の低酸素曝露を行った.
ミダゾラムを投与した群では,麻酔薬を投与しなかった非低酸素曝露群(対照群)と比較して,細胞生存比に有意差を認めなかったが,低酸素曝露群と比較すると有意に細胞生存比が大きく,ミダゾラムによる神経保護効果を認めた.
一方,レミマゾラムを投与した群では,50mM投与群では細胞生存比に有意差を認めなかったが,5mMおよび0.5mMでは有意に低下し,レミマゾラムによる神経毒性の可能性が示唆された.

研究成果の学術的意義や社会的意義

レミマゾラム (RMZ) に関する動物実験はまだ少なく,中でもその中枢神経毒性については明らかになっていない.特に小児においては臨床の現場でもその安全性が検証されている段階である.本研究ではラット初代培養大脳皮質神経細胞にミダゾラム (MDZ) またはRMZを投与し,ベンゾジアゼピン系薬剤の中枢神経保護効果を比較検討したが,RMZはMDZと比較して神経保護効果を期待できない結果であった.しかし,RMZはMDZと比較して作用時間が短時間であること,また本研究ではまだ十分な数の実験をできなかったことから,今後更なる実験を重ねて,より細かな結果が求められると考える.

報告書

(5件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 小児期における麻酔薬と脳神経の発達:麻酔薬の神経毒性と神経保護効果の今2021

    • 著者名/発表者名
      森田知孝
    • 雑誌名

      INTENSIVIST

      巻: 13 ページ: 682-685

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「実用化したいテクノロジー」デジタルガジェットについて2021

    • 著者名/発表者名
      森田知孝
    • 雑誌名

      麻酔・集中治療とテクノロジー2020

      巻: 1 ページ: 12-14

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] レーザ血流計を用いた麻酔導入時の毛細血管血流の変化の比較検討2021

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,内田整,萩平哲
    • 雑誌名

      麻酔・集中治療とテクノロジー2020

      巻: 1 ページ: 27-30

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Arduinoと感圧センサーを用いた喉頭展開の際に舌根部にかかる圧力の測定デバイスの試作2021

    • 著者名/発表者名
      岩切さと子,吉田力丸,森田知孝,澁田達史
    • 雑誌名

      麻酔・集中治療とテクノロジー2020

      巻: 1 ページ: 66-70

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新設医科大学における学生教育:英語による小児麻酔科学講義2020

    • 著者名/発表者名
      澁田達史,森田知孝
    • 雑誌名

      日小児麻酔会誌

      巻: 26 ページ: 82-87

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎児期ケタミン曝露による幼児期セロトニン神経系への神経毒性(Caイメージングによる評価)2023

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,澁田達史
    • 学会等名
      日本小児麻酔学会第28回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] プロポフォールプレコンディショニングによる幼若神経細胞傷害への保護効果について <Caイメージングによる比較検討>2022

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,澁田達史
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第69回学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎児期のケタミン曝露は幼児期セロトニン曝露による神経細胞傷害性に影響を与えるか2022

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,澁田達史
    • 学会等名
      日本集中治療医学会第6回北海道支部学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎児期のケタミン曝露は幼児期ドパミン曝露による神経細胞傷害性に影響を与えるか2022

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,澁田達史
    • 学会等名
      日本小児麻酔学会第27回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] プロポフォールプレコンディショニングによる幼若神経細胞傷害への保護効果について2021

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,澁田達史,小阪淳
    • 学会等名
      第25回日本神経麻酔集中治療学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] レーザ血流計を使用した麻酔薬による末梢血管血流量の変化の比較検討2020

    • 著者名/発表者名
      森田知孝,内田整
    • 学会等名
      日本臨床麻酔学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2025-01-30  

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