研究課題/領域番号 |
20K17882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武井 祐介 東北大学, 大学病院, 助教 (80822890)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人工呼吸関連肺傷害 / 細胞外小胞 / マイクロパーティクル / 内皮傷害 / セボフルラン / 内皮微小粒子 / 人工呼吸器関連肺傷害 / micaroparticles / 血管内皮傷害 / microaprticles / 凝固能障害 / COVID-19 / 人工呼吸関連肺障害 |
研究開始時の研究の概要 |
内皮微小粒子 (EMPs:endothelial microparticles)に着目し、人工呼吸関連肺傷害(VILI: ventilator induced lung injury)の内皮傷害マーカーの確立を目指す。高容量換気によるVILIラットモデルの血中EMPsを解析し、肺傷害との関連を検証する。ラットの肺血管内皮細胞を単離・培養 し、ストレッチ刺激を加えEMPs放出を促し、その特性・内包物を解析する。さらに、ストレッチ刺激により誘導されたEMPsの機能解析から、EMPsのVILIの病態進展への関与を明らかにする。また、VILIの血管内皮障害に対するセボフルランの保護効果を検証する。
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研究成果の概要 |
人工呼吸関連肺傷害(VILI)モデルラットでは、肺血管内皮傷害を反映し、PECAM+EMPs数, VE-cadherin+EMPs数, ICAM-1+EMPs数, VCAM-1+EMPs数が上昇した。特に血管透過性亢進の指標である肺乾湿重量比とは強い相関を示し、VILIの血管内皮傷害マーカーとなることが示唆された。また、抗炎症作用をもつセボフルランを1MACで20分間吸入させたのちに高容量換気を行うと、ICAM-1+EMPs数およびVCAM-1+EMPs数が減少し、VILIの炎症性内皮傷害が軽減される可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高容量換気による人工呼吸関連肺傷害(VILI)モデルラットを用いて、EMPs数がVILIの血管内皮マーカー、特に肺血管透過性亢進の指標となることを示した。また、VILIへの対策は換気量を制限し肺胞の過伸展を防ぐ肺保護戦略しかないのが現状であるが、病的肺では正常な肺容量が減少しており、肺保護戦略だけではVILIの進展を防ぐことはできない。VILIの進展には肺胞過伸展につづく炎症が関与しており、肺胞における炎症抑制はVILI抑制への重要な戦略である。本解題では、吸入麻酔薬であryセボフルランがVILIの内皮傷害を軽減させることが示唆され、あらたなVILI対策への足がかりになる可能性を秘めている。
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