研究課題/領域番号 |
20K17930
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
王 登莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40815693)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 抗体治療 / 脳出血 / HMGB1 / マーモセットモデル / コラゲナーゼ / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
脳出血は、有効な治療法がない重症疾病である。このため、脳出血は患者と介護者のQOLに大きな影響を与える。HMGB1は細胞核由来の活性物質であり、細胞外空間で炎症性サイトカイン様活性を示す。我々はこれまでに、ラット抗HMGB1 抗体の末梢投与がラット脳出血によって引き起こされる脳障害を顕著に改善することを示した。しかしながら、脳出血過程におけるHMGB1の核から細胞外へのトランスロケ ーション機構は、未だ明らかではない。本研究では、その過程を明らかにし、さらに、ヒト化 抗HMGB1抗体のマーモセット出血脳障害モデルにおける有効性を検証する。その結果は、前臨床POCレベルを上昇させると期待できる。
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研究成果の概要 |
脳内出血(ICH)は有効な治療法がない重大な医療問題だ。HMGB1が炎症性サイトカインとして機能することが知られている。以前の研究で、抗HMGB1モノクローナル抗体がラットのICHモデルで脳損傷を顕著に改善したため、臨床用のヒト化抗体(OKY001)を開発した。この研究では、ヒト化抗体がHMGB1の放出を阻害し、鉄の蓄積と脳損傷を減少させたこと、またヘモグロビンの毒性効果を遅らせる可能性が示された。さらに、体重減少を抑え、行動性能を向上させる効果が確認され、ICH治療の新たな戦略としての可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は脳内出血(ICH)の治療法開発に新たな道を示し、HMGB1をターゲットとした治療が脳損傷を減少させる可能性を明らかにした。 効果的な治療法が患者の生活の質を向上させ、医療費の削減や社会復帰の促進に寄与することが期待される。
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