研究課題/領域番号 |
20K17943
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
江口 盛一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80648650)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 髄膜腫 / 不均一性 / 病理組織学的悪性度 / 分子生物学的悪性度 / メタボローム解析 / トランスクリプトーム解析 / 悪性髄膜腫 / 悪性転化 / Dural embryology / Neural crest / Mesoderm / エネルギー代謝 / ゲノム解析 / 代謝制御 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギー代謝経路の制御が悪性髄膜腫の新たな治療となり得るか?という仮説の検証のため, ①ヒト髄膜腫検体に対してメタボローム解析を行うことで髄膜腫の悪性化に伴い変動する代謝経路を同定, ②次世代シーケンサーを用いた既知の遺伝子変異の確認とDNAマイクロアレイ法による網羅的遺伝子解析でエネルギー代謝の変動を担う責任遺伝子を同定, ③髄膜腫のcell lineであるHBL-52細胞に対してCRISPER-Cas9を用いて②の遺伝子をノックアウトしin vitroで腫瘍細胞の増殖が抑制できるかを検証。余裕があれば免疫不全マウスの脳にHBL-52細胞を移植しin vivoで腫瘍径変化と生存解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では病理組織学的悪性度(WHOグレード)の異なる髄膜腫検体に対してメタボローム、トランスクリプトーム解析を行なった。結果、グレード2の異型性髄膜腫の中には、分子生物学的悪性度の異なる亜群が混在しており、この亜群は分子生物学的にはグレード1の髄膜皮性髄膜腫に近いが、癌細胞で亢進しているグルタミノリシスが亢進しており、悪性腫瘍様の代謝経路の変動を示すことを見出した。本研究により、「髄膜腫は悪性化に伴い代謝経路が変動する」という仮説を証明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにも、異型性髄膜腫には臨床的に再発が認められない予後良好群と、容易に再発する予後不良群が混在していると考えられてきたが、本研究の結果、分子生物学の側面から悪性度の異なる亜群が存在することを証明した意義は大きい。これは、異型性髄膜腫が髄膜腫の悪性化の分子機序を解明する鍵となりうる可能性を示唆している。、また、この亜群では特徴的な代謝経路の変動も同定されており、この代謝経路の変動を制御することで難治性の悪性髄膜腫に対する新たな治療ターゲットが見出せる可能性もある。
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