研究課題/領域番号 |
20K17949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐野町 友美 山形大学, 医学部, 医員 (20812465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ゲムシタビン / 電離放射線 / 細胞老化 / 活性酸素種 / 放射線増感剤 / 悪性髄膜腫 / hENT1 / dCK / 化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
「悪性髄膜腫に対するゲムシタビン(Gem)を中心とした化学療法戦略」の臨床応用及び確立を目的とする。そのためGem感受性の分子機構の解明と髄膜腫病理検体を用いたGem有効性の検証を通しGemの臨床応用に向けて基盤研究を推進しつつGemの効果を更に高める治療戦略を開発する。所期の成果を得た場合、未だ臨床的特効薬がない悪性髄膜腫の化学療法の確立に寄与し患者に実益をもたらしうることが大きく期待される。上記目的達成のため、(1)悪性髄膜腫細胞のGem高感受性の分子メカニズムの解明、(2)病理検体を用いたGem高感受性分子の発現検討、(3)併用によりGemの抗腫瘍効果を増強できる薬剤の探索・同定を行う。
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研究成果の概要 |
悪性髄膜腫は予後不良で新規治療法の開発が望まれている。以前我々はマウスモデにてゲムシタビン(Gem)により高悪性度髄膜腫の長期制御が可能であったこと、更に分子dCK及びhENT1に注目しGem高感受性の機序を明らかにした。悪性髄膜腫は術後補助放射線療法を要する疾患であるが電離放射線(IR)との併用でのGemの腫瘍抑制効果については未検討であった。そこでこれらの相互作用を調べた。Gemは老化を誘導することにより悪性髄膜腫細胞をIRに対して感作させIRによる細胞内の活性酸素種産生を増強し細胞増殖が抑制された。結論として悪性髄膜腫の放射線増感剤候補としてのGemの可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
予後不良な疾患である悪性髄膜腫の新規候補薬剤としてゲムシタビン(Gem)高感受性の機序を解明するために分子dCKとhENT1に着目し、dCKとhENT1がGemの感受性を経て髄膜腫患者におけるより強い腫瘍細胞増殖活性並びにより短い予後に寄与していることが明らかとなった。悪性髄膜腫へのGemの有用性を支持すると共にそれら分子が将来的に抗悪性腫瘍薬への反応性予測因子となる可能性が考えられた。また悪性髄膜腫の術後補助放射線療法に着目し未検討であったGemとIRの併用効果を調べた。結果としてGemはIRの効果を高める放射線増感剤となりうることも示唆され、更にGemの臨床応用性を高める結果が示唆された。
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