研究課題/領域番号 |
20K17966
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 智義 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60837946)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | medulloblastoma / brain tumor / PDX / CAR-T therapy / 髄芽腫 / 悪性脳腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
小児の悪性脳腫瘍のひとつである「髄芽腫」は、近年の大規模な遺伝学的解析によって4つのグループ(WNT、SHH、group 3、group 4)に分類できることが分かってきた。中でも、group 3・4の髄芽腫は治療が効きにくく、再発や播種を起こしやすいということが知られている。この研究では、これらのグループの髄芽腫がどうして治療が効きにくいのかを明らかにして、そのメカニズムに分子学的に働きかける新たな治療法の開発につなげることを目的としている。
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研究成果の概要 |
希少な難治性小児悪性脳腫瘍である髄芽腫は、近年、分子遺伝学的背景によっていくつかの悪性度の異なるサブタイプに分類できることが明らかとなってきました。我々はこの点に着目し、本邦における髄芽腫のサブタイプ別発生頻度を検討したり、臨床検体を用いた腫瘍細胞培養モデル作成、腫瘍細胞抗原性確認、動物移植実験を行う等の研究を行いました。その結果、髄芽腫の中でも最も悪性度の高いgroup3と呼ばれるサブタイプでは、他のサブタイプよりも細胞培養モデルの樹立に成功しやすい可能性や、動物移植モデル作成に成功しやすい可能性等が示唆されました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで髄芽腫の腫瘍細胞初代培養モデルを作成することは比較的困難とされていましたが、悪性度の高いGroup3と呼ばれるサブタイプの腫瘍では比較的成功率が高い可能性が示され、細胞培養モデルを用いた他の基礎研究に応用できる可能性が示唆されました。さらに、培養に成功しなかったとしても、臨床検体から腫瘍細胞を単離し、抗原抗体反応とフローサイトメーターを用いて細胞に特定の抗原が発現しているかを確認する手法が有効であることを確認しました。これらの研究成果は、髄芽腫をはじめとした難治性がんに対する抗体療法やCAR-T療法の開発を目的とした研究に応用できる可能性があり、意義のある成果だと考えられます。
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