研究課題/領域番号 |
20K17969
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
畝田 篤仁 岡山大学, 大学病院, 医員 (20865927)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 分化型膠芽腫細胞 / CCN1 / 微小環境 / マクロファージ / YAP/TAZ / TEAD / 膠芽腫幹細胞 / 間葉系サブタイプ / グリオーマ / がん幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫幹細胞(GSC)は微小環境の中に存在し、さまざまな刺激や栄養を受けて幹細胞性を維持している。近年、GSCと、それが分化することで生成される分化型膠芽腫細胞(DGC:Differentiated Glioblastoma Cell)との相互作用が報告されている。本研究の目的は、YAP/TAZの活性化によりDGCから分泌されるCCN1が微小環境を再構築することで、GSCの幹細胞性にどのような影響をもたらすのかを解明することである。本研究により、微小環境と不均一な腫瘍細胞との相互作用により形成される膠芽腫の複雑な生態系を解明し、新たな治療戦略へとつなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
膠芽腫(GBM)は最も悪性度の高い脳腫瘍であり、GBM幹細胞(GSCや分化型GBM細胞(DGC)などの多様な腫瘍細胞から構成される。本研究では、微小環境におけるDGCの役割について研究を行なった。GSCとDGCの遺伝子発現データを比較してDGCに特徴的な遺伝子群を抽出した。この遺伝子群は間葉系サブタイプやマクロファージに関連していた。DGCとGSCを共移植することで、GSC単独移植と比較してマウス脳腫瘍モデルの生存率が低下し、腫瘍組織内のマクロファージ浸潤が増加した。DGCはYAP/TAZ-TEAD-CCN1経路を介してマクロファージ浸潤を促進し、GBMの進行に寄与していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、GSCが分化することにより生成されるDGCがマクロファージを中心とした間葉系微小環境構築における重要な因子であることを明らかにした。本研究によりDGCがGSCと協調してGBMの進展に寄与するということ示され、GSCだけでなくDGCを含めた腫瘍内不均一性に対応した治療戦略の重要性が明らかになった。YAP/TAZ-TEADの抑制により、DGCによる微小環境改変が阻止され、GBMの新たな治療戦略に繋がる可能性が本研究によって示唆された
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