研究課題/領域番号 |
20K17988
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橋本 瑛子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30836747)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 反転型人工肩関節全置換術 / 術後肩峰骨折 / 肩甲骨コンポーネント / 有限要素解析法 / 反転型人工肩関節全置換 / 新鮮凍結屍体 / 術後不安定症・脱臼 / 肩甲骨関節窩傾斜 / 3DCT補正 / 逆置換型人工肩関節 |
研究開始時の研究の概要 |
2014年4月に日本へ導入された逆置換型人工肩関節(RSA)は、かつてはなす術のなかった一次修復不能な腱板断裂性肩関節症を適応とし良好な成績を収めている。しかし一方で、諸外国に比較し体格の小さい日本人においては骨形態の有意な違いによる臨床成績への影響が近年報告される。 本研究では、RSA適応疾患の疾患特性を踏まえ肩甲骨形態を解析し、新鮮凍結屍体における動作解析と有限要素解析法を用いRSA術後脱臼やインピンジメントおよび応力分布を検証することで、最適な人工関節デザインやサイズを日本人に特筆して解明を目指す。
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研究実績の概要 |
研究計画に従い、さらに追加実験を行った。 反転型人工肩関節全置換術が本邦に導入され9年を迎えた。本邦で使用可能なインプラントは全て諸外国メーカーによる製品であり、短中期成績の評価が可能となった昨今においては、日本人の体格差によるインプラントサイズのミスマッチ、コンセプトの改良が望まれている。そこで、本年度は有限要素解析法のインプラント設置による検討に先立ち、追加研究として反転型人工肩関節全置換術の術後短中期における合併症の研究とインプラント設置と臨床成績の検討を2020年度に行った肩甲骨関節窩のinclinationの計測法に基づき詳細に評価した。 近年、術後の予後不良因子として疲労骨折である肩峰骨折に着目されている。当方で施行した反転型人工肩関節のうちその頻度は20/377肩(5.3%)だった。諸外国の報告と同様の頻度であったが、骨折部位が臨床成績を左右し、特に術後比較的早期に発症する肩甲棘基部骨折に注意を要すると考えられた。さらに、インプラントマッチングモデルを完成させ、有限要素解析法による肩峰骨折への応力分布を検討した。上肢下垂位においては実臨床に一致した骨折部を確認した。さらに、201肩を対象とし3D補正の術後CTを用いコンポーネントの設置位置(inclination、height、version)を計測し、術後成績との相関を検討した。設置は、平均4.4°上方傾斜、1.9mm下方設置、0.7°前捻だった。設置位置と可動域の相関は、inclinationで可動域と臨床スコアで上方傾斜残存角度に比較的強い負の相関を認め、挙上不良におけるinclinationのカットオフ値はAUC0.85・上方傾斜11.4°だった。反転型人工肩関節の肩甲骨コンポーネントの設置において約10°以上の上方傾斜の残存は、術後挙上角度を減じ成績不良となる為、肩甲棘基部と平行となる下方傾斜を目標とした術前計画や術中設置手技に十分注意を要する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の研究計画は全て終了し、2021年度以降に予定していた有限要素解析法に現在取り組んでいる。インプラント設置が及ぼす実臨床での短中期での臨床成績や合併症のデータに基づいた検討が必要であると考え、上記追加研究を行なった。こちらは当初の計画に追加したも のであり、2022年に行い当初の研究計画よりは遅れたが、順調に実施・進展した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度以降の研究計画に予定した、有限要素解析法によるインプラントの応力分布の検討を継続する。インプラントマッチングモデルが確立できたため、合併症で重要と考えられている肩峰骨折の応力分布の検討を上肢の肢位や三角筋の牽引力を変化させ、より臨床にそくした検討を継続したいと考えている。さらに、体格差から生じたと考えられる現在の本邦での問題点を解決すべく、サイズのミスマッチから引き起こされると考えられるインプラント牽引距離の与える影響やステムサイズにも着目して有限要素解析法の検討を行う予定である。肩甲骨側においては、肩甲骨関節窩形態の研究結果を踏まえて、肩甲骨インプ ラントの設置位置や角度による肩甲骨関節窩への応力分布、インプラントフェイラーを引き起こす要因を検討する。インプラント設置やサイズが与える影響が、臨床的側面と、有限要素解析法による応力分布の基礎的側面の両面から捉えられると期待している。
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