研究課題/領域番号 |
20K18002
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
久永 哲 熊本大学, 病院, 特任助教 (30827308)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 小胞体ストレス / 分子シャペロン / 軟骨細胞 / 軟骨変性 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が進む我が国では軟骨破壊の進行を抑制する治療法の開発が急務であり、分子メカニズムを解明し治療標的分子を同定することが不可欠である。我々は軟骨変性の過程で小胞体ストレスが生じ、軟骨細胞のアポトーシスや分泌の障害を介し軟骨変性の要因となっていることを明らかにした。しかしなぜ小胞体ストレスが軟骨細胞に生じているかは分かっていない。本研究の目的は膝OA患者より採取した関節軟骨における発現遺伝子の網羅的解析を行い、CRISPR libraryの解析を加えることで小胞体ストレスを介したOAの原因遺伝子を同定し、小胞体ストレス応答を標的とした軟骨変性に対する新規治療法開発の可能性を検討することである
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症の過程でどのようなメカニズムが原因で軟骨細胞の恒常性が破綻し、過剰な小胞体ストレスが発生するかは全く分かっていない。本研究では小胞体ストレスを感知する軟骨細胞株を樹立し、その後CRISPRライブラリーを用いて遺伝子を解析したところ、分子シャペロンとの関連性が確認された。変形性膝関節症患者および疾患モデルラットの関節軟骨では分子シャペロンの発現が上昇しており、また変形性膝関節症患者より採取した軟骨細胞に化学的に合成したシャペロンを投与することで、軟骨基質の分泌が増加することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性関節症は関節軟骨の変性を主座とする疾患であり、関節痛、関節腫脹や運動機能の低下の要因となる。治療としては対症療法としてのNSAIDsの内服、ヒアルロン酸やステロイドの関節内注射や理学療法などの保存的療法、人工関節置換術や骨切り術などの手術療法があげられる。しかしながら軟骨の変性を抑制するような根治的治療は存在せず、治療法の開発のためには軟骨変性の病的解明が必要である。本研究にてシャペロンの投与により、変形性関節症の進行が抑制される可能性が新たに示され、引き続き疾患モデルラットを用いた検討を行う予定である。
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