研究課題/領域番号 |
20K18003
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
舛田 哲朗 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20794530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前十字靭帯 / Scleraxis / 遺残組織 / ACL / remnant / scleraxis / SOX-9 / 前十字靱帯再建術 |
研究開始時の研究の概要 |
前十字靱帯(ACL)損傷膝において, 遺残組織は滑膜叢内血流が豊富であり, 早期細胞 浸潤, 再血行化などにより移植腱の再靭帯化に寄与することが報告されている。また,マウス発生過程において, ACLはScleraxis(Scx) とSRY-box containing gene 9(Sox9) 共陽性細胞から構築されることが報告されている。本研究では現在確立させているScxGFP遺伝子改変ラットを用いてACL再建モデルを作成し,遺残組織の有無における術後移植腱を継時的に組織学的, 免疫組織学的,力学的に評価し,Scx, Sox9陽性細胞の移植腱再靭帯化へ関与を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,ACL再建術後におけるScx陽性細胞とSox9陽性細胞の移植腱への関与を評価した。ScxGFP 遺伝子改変ラットを用いたACL再建モデルでは、術後4週で移植腱実質部に広くScx陽性細胞を認めた。ACL切離モデルでは、経時的に遺残組織内にScx陽性細胞が広く分布し,遺残組織を温存したACL再建モデルは,郭清モデルと比較し,術後移植腱内に多くのScx陽性細胞を認めた。また温存モデルでは術後移植腱の最大破断強度が有意に大きかった。本結果よりACL再建術後,移植腱の再靭帯化にScx陽性細胞が関与する可能性があり、遺残組織を温存することで移植腱の力学的強度が早期に改善する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過去の報告では前十字靭帯(ACL)発生過程においてScx,Sox9陽性細胞が関与することが示されている。本研究ではACL再建術後における移植腱の再構築過程に,Scx陽性細胞が寄与している可能性を示唆させる結果を得た。また、ACL遺残組織にScx陽性細胞が認められ,遺残組織を温存することで早期に移植腱の力学的強度を改善する可能性が示唆された。本結果は, 移植腱の再構築過程の機序を明らかにし, 移植腱の力学的強度の早期回復へ繋がる知見となることが期待できる。
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