研究課題/領域番号 |
20K18071
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
村田 鎮優 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (90838294)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 創傷治癒 / TRPA1 / 動物実験 |
研究開始時の研究の概要 |
Transient receptor potential(TRP)チャネルは,さまざまな部位に発現し,多岐にわたる生体機能に関与する。本研究ではTRPA1と一酸化窒素(NO)の相互作用に着目し、軟部組織損傷を伴う皮膚創傷の治癒過程におけるTRPA1チャネルとNOの関与について、ノックアウトマウスを用いた創傷モデル動物実験により明らかにする。皮膚創傷の迅速な治癒は、細菌汚染や水分喪失、瘢痕形成を予防するという点で、健康維持に必要不可欠である。本研究によって得られる成果は、整形外科領域の手術の成功率を高める新たな予防・治療法の開発に貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
創傷治癒は様々な疾患において重要なプロセスであり、その根本的なメカニズムを解明することは治療戦略の開発に不可欠である。我々は、transient receptor potential ankyrin 1(TRPA1)の欠損が、マウスの皮膚創傷治癒過程に影響を与えるかどうかを検討した。筋線維芽細胞やマクロファージによる肉芽組織の形成、再上皮化、関連する遺伝子発現を評価した。創傷モデルの確立には、TRPA1-null(KO)および野生型(WT)のC57BL/6マウスを使用した。全身麻酔下でマウス背部皮膚に2個の円形全層切除創(直径5.0 mm)を作製した。一定時間経過後、肉眼観察、組織学、免疫組織化学、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を用いて治癒の過程を評価した。TRPA1の欠損は、マウスの皮膚創傷治癒過程における肉芽組織の形成と再上皮化を遅らせることがわかった。詳細な解析の結果、TRPA1の欠損は、筋線維芽細胞の出現、マクロファージの浸潤、αSMA、F4/80、Col-1α2のmRNA発現を抑制していることが分かった。これらの結果から、TRPA1がマウスの皮膚創傷治癒に必要であることが示された。TRPA1の欠損は、マクロファージの浸潤とそれに続く線維組織の形成を遅らせ、線維芽細胞の線維化挙動をさらに損なう可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗は、概ね順調に進展している。一方で、国際学会等での発表に関しては、COVID-19の影響もあり、予定していたよりも実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
上記の研究成果に関して、国内外で、活発に発表する予定である。
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