研究課題/領域番号 |
20K18089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉野 喬之 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40734348)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | BCG / ミコール酸 / TDM / 膀胱癌 / リポソーム / がん免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
表在性膀胱癌に対するMycobacterium bovis bacillus Calmette-Guerin(BCG)の膀胱内注入療法は古くから有効性が確立しているがん免疫療法の一つであるが、転移性癌に対し全身投与ができない。申請者はBCGの壁成分脂質中のミコール酸(MA)をリポソーム化することにより、マウス皮下腫瘍モデルにおいてBCGと同様の抗腫瘍活性 が得られたことを報告した。本研究では作製したリポソームと抗PD-1抗体を用いて、 マウス肺転移モデルに対する全身投与実験を行い、単剤および併用の有効性を明らかにするとともに、BCGの引き起こす免疫応答メカニズムを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
筋層非浸潤癌の術後の再発進展予防としてBCG膀胱内注入療法は標準治療として用られている。再発癌率を大きく低下させる非常に有効な治療だが、BCG生菌の投与が必要であるため重篤な感染症を発症するリスクなどが存在し、感染性のない非生菌製剤の開発が嘱望されている。我々はBCG含む抗酸菌類に特異的な壁成分であり、強力な免疫活性を持つtrehalose-6 6’-dimycolate(TDM)に着目し、これを親水性リポソーム化し製剤化した。このTDMリポソームは膀胱内発癌モデルマウスに対して腹腔内投与を行うことで、有意に膀胱内発癌を抑制を抑制することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が今回開発したTDMリポソーム製剤はマウスモデルでの膀胱内発癌予防効果を認めたことで、BCGの代替となりつつも感染性のない全く新しい治療法の開発につながる可能性が示唆された。またこのTDMリポソーム製剤は腹腔内投与により発癌予防効果を来したことから、投与方法が膀胱内注入に限られたBCGと異なり、転移性癌や膀胱癌以外の癌腫など、多様な疾患を対象とした抗腫瘍薬の開発につながる可能性があると考えている。
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