研究課題/領域番号 |
20K18094
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
溝口 晋輔 大分大学, 医学部, 客員研究員 (70751733)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 前立腺肥大症 / エストロゲンレセプター / 慢性炎症 / 肥満 / 線維化 / GPER / MAPK / メタボリックシンドローム / G蛋白供役型エストロゲンレセプター |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺肥大症における下部尿路症状は生活の質の低下に直結するが、その病態生理はいまだに明らかにされていない。近年、メタボリック症候群を有する患者において、前立腺重量の増大と下部尿路症状の有病率の増加が指摘されている。メタボリック症候群では、酸化ストレスの亢進に伴う前立腺組織の炎症や、脂肪細胞の増加に伴う血中エストロゲン濃度の増加を引き起こし、これが前立腺組織における持続的な炎症と細胞増殖を引き起こすことが想定されている。本研究は前立腺肥大症の発症におけるERαとGPERの役割を明らかにすることで、前立腺肥大症のさらなる病態の理解と新たな治療方法の開発基盤とすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
肥満患者では脂肪細胞の増加に関連して血中エストロゲン濃度が上昇しており、前立腺肥大症の発症にエストロゲンレセプターの関与が示唆される。高脂肪食によるラット肥満モデルを用いて、前立腺組織の重量変化、GPER (G Protein Coupled Estrogen Receptor)、TGFβ、IL1βのmRNA発現量変化について解析した。コントロールと比較してGPER、IL1β、TGFβのmRNA発現量は、肥満モデル群で有意に発現亢進していたが、G15(GPER antagonist)投与群では、発現減少傾向を認めた。 GPER活性化前立腺肥大症の発症に関連する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺肥大症は明らかな加齢性疾患であり、罹患率も高く、QoLへの影響もあり、高度高齢化社会を迎える我が国においても克服すべき疾患である。一方でその病態生理は明らかではなく、長期的な薬物療法や手術療法が必要となる症例も存在する。本研究は、肥満患者における前立腺肥大症の発症にGPERが関与している可能性をしめした。前立腺肥大症の発症にはストレスや慢性炎症など複合的な要因が関与していることが想定されている。エストロゲンレセプターの一つであるGPERは前立腺肥大症の発症に関連している可能性があり、前立腺肥大症の新たな病態生理の解明と、新規治療薬の開発の基盤となりうる。
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