研究課題/領域番号 |
20K18143
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
稗田 圭介 広島大学, 病院(医), 講師 (60625630)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / DDX41 / ケモカイン / 予後予測因子 / 腎細胞がん / 淡明細胞型腎細胞癌 / DDX41 / 抗PD-1抗体 / STNG経路 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、腎細胞癌におけるDDX41の発現亢進の、(1)抗PD-1抗体の効果予測因子としての有用性(2) STING経路の賦活化を介した悪性度との関連について検証する事である。そのために、ヒト臨床検体(腎摘または生検標本)を用いた解析、ヒト腎細胞癌細胞株を用いたDDX41発現株作製実験、それを用いた分子標的薬・I-O drugに対する感受性検証実験などを行う。
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研究成果の概要 |
腎細胞がんの内部に腫瘍壊死という状態がある場合、がんの悪性度が高い傾向にある事が知られています。しかし、なぜそうなるのかはあまりわかっていませんでした。我々のグループは、腫瘍壊死によって分解された細胞内のDNAを感知するDDX41 というタンパクの発現が、がんの悪性度に関係するのではないかと考えました。腎細胞がんに対して手術を行った患者さんの組織を用いて、DDX41というタンパク質の発現レベルを評価したところ、DDX41の発現レベルが高いと腫瘍壊死を有する頻度が高く、さらにがんの再発率や生存率が悪くなる事が判明しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、腎細胞癌における腫瘍壊死が、なぜ悪性度や予後増悪に関与するのか未知の点が多かった。我々は、腫瘍壊死により放出される分解されたdsDNAをDDX41が感知して発現が上昇し、間接的に予後増悪に寄与すると考えた。本研究は、腎細胞癌のうち最も頻度の高い淡明細胞型腎細胞癌において、DDX41 の発現が腫瘍壊死や生命予後と有意に関係している事を初めて明らかにした。淡明細胞型腎細胞癌はVHL機能欠失型変異を特徴とするが、VHL欠失下においてのみ、DDX41の発現上昇はケモカインファミリーの発現亢進や腫瘍増殖に寄与する事が判明した。DDX41の高発現は、淡明細胞型腎細胞癌の予後予測因子となる。
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