研究課題/領域番号 |
20K18148
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
胡口 智之 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40791950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腎癌 / がん代謝 / ミオイノシトール / ミオイノシトール代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞内ミオイノシトール新規合成の律速酵素であるISYNA1や、ミオイノシトールサルベージ経路にあるinositol monophosphatase(IMPase)、細胞内へのミオイノシトール取り込み受容体であるhigh-affinity sodium myo-inositol transporte(SMIT)の発現を制御することで細胞内ミオイノシトール濃度を調整し、腫瘍増殖や生存に与える影響について検証する。
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研究成果の概要 |
腎癌細胞株ACHN、786-OへISYNA1強制発現ベクターを遺伝子導入すると細胞増殖が抑制された。細胞培地へのミオイノシトール投与は、786-O細胞の増殖を抑制した。ACHN、786-O細胞へミオイノシトール代謝阻害薬であるバルプロ酸とリチウムを投与すると、バルプロ酸投与群において細胞増殖が亢進した。ACHN、786-O細胞に対して発現ベクターを用いたISYNA1安定発現細胞株を作成した。ACHN、786-OどちらのISYNA1安定発現細胞株も、バルプロ酸投与により細胞増殖抑制効果がキャンセルされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで腎臓ではミオイノシトール代謝により浸透圧調整を行っていることが知られていたが、腎癌におけるミオイノシトール代謝の変化や細胞機能へ与える影響は明らかではなかった。今回我々の研究よって、腎癌では細胞へのミオイノシトールの新規供給が低下している可能性が示唆された。腎癌へミオイノシトール供給する経路を回復させることで細胞の増殖制御ができること、またこの経路の阻害が細胞増殖を亢進させることが明らかになった。これは細胞へミオイノシトールの内的および外的な新規供給どちらに置いてもみられており、腎癌の新規治療に向けた分子標的としての応用や薬物療法の開発につながる可能性が示唆された。
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