研究課題/領域番号 |
20K18157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田口 歩 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60756782)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | HPV / 子宮頸癌 / オルガノイド培養 / 子宮頸がん / プレシジョンメディシン / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸部胃型腺癌の手術検体をマトリゲル培養することでオルガノイドを作製し、組織免疫染色と網羅的発現解析やゲノム解析によってprofilingする。さらに、新規治療薬の探索として、PARP阻害剤であるniraparibとolaparibのオルガノイドに対する効果を検討する。
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研究成果の概要 |
子宮頸部扁平上皮癌2例、腺扁平上皮癌3例、小細胞癌1例でオルガノイド培養の樹立に成功した。この中で難治性の希少癌であるHPV18型陽性小細胞癌を対象に、治療標的候補の探索のため全エクソーム解析(WES)とRNA-seq解析を実施した。WES解析からはKRAS p.G12Dの病的変異を同定した。また、RNA-seq解析の結果、HPV18ゲノムは8番染色体(8q24.21)に組み込まれており、その下流のMYC遺伝子の高発現を伴うことを確認した。KRAS変異とMYC高発現を治療標的とし、オルガノイド培養を用いて薬剤感受性試験を行ったところ、KRAS経路阻害剤のトラメチニブで高い抗腫瘍効果を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮頸癌の中で胃型腺癌や小細胞癌は希少癌でかつ難治性癌であり、その治療法の確立は喫緊の課題であった。本研究では、子宮頸部小細胞癌のゲノム解析、トランスクリプトーム解析から治療標的の絞り込みを行い、さらにオルガノイド培養を用いることで薬剤感受性試験を行うことができた。治療標的の同定と患者由来モデルを用いた薬剤感受性試験の一連の流れの確立は今後のがん医療における個別化療法の基盤となっていくことが期待される。
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