研究課題/領域番号 |
20K18165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
信田 侑里 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (60823896)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 新生児低酸素性虚血性脳症 / ナノ粒子 / フリーラジカル / 脳性麻痺 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内もしくは分娩時の低酸素環境などによって引き起こされる新生児低酸素性虚血性脳症(Hypoxic Ischemic encephalopathy; HIE)は、新生児死亡もしくは神経学的予後を不良にする重篤な疾患である。発症機序に低酸素や虚血により発生するフリーラジカルが考えられている。一方、我々の研究グループがフリーラジカル除去作用をもつポリグリセロール機能化ナノ粒子を新規に合成した。そこで、本研究ではこの新規ナノ粒子を用いて新生児HIEを治療する。本研究課題が成果を挙げれば、脳性麻痺の発症率を下げることが期待できるだけでなく、成人の脳虚血性疾患への治療応用も期待できる。
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研究成果の概要 |
ポリグリセロールで表面コーティングしたナノ粒子が活性酸素種を消去する効果があることは本研究開始前に実証済みであったが、さらに合成方法の改良を行った。具体的にはポリグリセロールのコーティング層を二重にしてナノ粒子にさらに強力な活性酸素種除去能を持たせることに成功した。次に、マウスの新生児低酸素性虚血性脳症モデルに対して、ポリグリセロールで表面コーティングしたナノ粒子を血管内投与することで、脳障害および運動機能障害が軽減されるかについて検討を開始した。現在、上記の動物実験を継続中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮内もしくは分娩時の低酸素環境によって引き起こされる新生児低酸素性虚血性脳症は、脳性麻痺などの中枢神経障害の原因となり、周産期医療における最も重篤な疾患のひとつであるが、現在、治療効果が確認されているのは脳低温療法のみで、それも新生児HIEの発症率を11%低下させるに留まる。本研究において新規に開発したナノ粒子は新生児低酸素性虚血性脳症の病態の鍵となる活性酸素種を強力に除去することができる。本ナノ粒子を用いた治療法を確立できれば、過去60年低下しない脳性麻痺の発症率を下げることが期待できる。
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