研究課題/領域番号 |
20K18171
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
八幡 環 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90647562)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 卵巣癌 / PD-L1 / AAV-CRISPR/Cas9 / AAV-CRISPR/Cas9 system / アデノ随伴ウイルスベクター / IDO |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌治療において免疫チェックポイント阻害剤の有効性が示されているが,その奏功率は十分に高いとは言えず、新規阻害方法の開発が求められている。本研究ではAdeno associated virus (AAV)-CRISPR/Cas9を用いて、ウイルスベクターの癌細胞指向性の特性を活かし、ゲノム編集ツールであるCRISPR/Cas9をin vivoで癌細胞特異的に誘導し、卵巣癌に発現する免疫寛容分子 (PD-L1、IDO遺伝子)を直接欠損させることで、卵巣癌における抗腫瘍瘍効果を明らかにし、新規遺伝子免疫療法としてのAAV-CRISPR/Cas9の有用性を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
本研究ではAAV-CRISPR/Cas9を用いて、卵巣癌のPD-L1を標的とする新規遺伝子免疫療法モデルを開発し、その有効性について検討した。腫瘍のPD-L1遺伝子を欠損させるためのPD-L1-AAV粒子を作製した。マウス腹膜播種モデルにおいて、PD-L1-AAV粒子投与群は対照群と比較して生存期間が有意に延長した。免疫組織化学的検査では、PD-L1-AAV粒子投与群では対象群と比較して、腫瘍内のCD4陽性・CD8陽性T細胞数が有意に増加し、制御性T細胞数は有意に減少した。AAV-CRISPR/Cas9による卵巣癌のPD-L1を標的とする遺伝子免疫療法の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣癌におけるPD-L1を標的とした抗体療法の研究は複数報告されているが、AAV-CRISPR/Cas9を用いた卵巣癌の標的遺伝子に対する治療モデルの報告はない。本研究ではAAV-CRISPR/Cas9を用いることで,マウスに直接接種し、腫瘍のPD-L1遺伝子を改変することが可能となった。マウス卵巣癌腹膜播種モデルにおいて、PD-L1-AAV粒子を直接投与することで、腫瘍免疫応答を誘導し、重篤な有害事象を引き起こすことなく、腫瘍抑制効果を示すことが実証された。本研究成果はAAV-CRISPR/Cas9を介したPD-L1を標的とした新規免疫遺伝子治療が、臨床試験に向けての基盤研究となると考える。
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