研究課題/領域番号 |
20K18173
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
春日 義史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60570877)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 妊娠 / 腟分泌物細菌叢 / 子宮頸がん / 手術 / 早産 / 細菌叢 / 周産期医療 / 腟分泌物 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸がん早期発見時には妊孕性温存治療である子宮頸部円錐切除術(以下,円切)や広汎子宮頸部摘出術(以下,RT)を選択可能となるが,円切やRT後妊娠では絨毛膜羊膜炎(以下,CAM)による破水を契機とした早産分娩が多い.円切もRTも子宮頸部を切除するため,子宮頸管腺が欠如しCAMを発症しやすい腟内環境になっている可能性があるが,それらの腟内環境変化に関する報告は少ない.本研究の目的は子宮頸がん妊孕性温存手術後妊娠における腟分泌物細菌叢解析を行い,子宮頸がん妊孕性温存手術後妊娠での早産リスク因子を明らかにし,早産予防法確立の足がかりを作ることである.
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研究成果の概要 |
広汎子宮頸部摘出術後妊娠(RT:25例)と子宮頸がん妊孕性温存手術を受けていない妊婦(コントロール:100例)を対象として、妊娠初期、中期、後期の3回腟分泌物を採取した。採取した腟分泌物は16SリボソーマルRNA解析を行い、網羅的な細菌叢を明らかにした。 3期間とも、乳酸桿菌の比率については両群間で有意差を認めなかった。一方で、コントロール群と比較して、RT群はα多様性が高いことが判明し、RT後妊娠では腟内細菌叢が変化することが早産の原因の一因になっている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
広汎子宮頸部摘出術(RT)後妊娠は30%以上が妊娠34週未満の早産となる早産ハイリスク群である。子宮頸がんはワクチン接種が進んでいない現状ではさらに増える可能性があり、RTに対する需要は高まっている。一方で、RT後妊娠に対する早産予防法は確立されていない。RT後妊娠の腟内細菌叢が変化していることが判明したことから、腟内細菌叢を改善するような薬剤の使用により、早産を予防できる可能性がある。早産児は出生直後のみならず、将来の生活習慣病や肥満などのリスクも高く、精神発達が遅れる可能性もあるなど長期的な予後も不良である。本研究はRT後妊娠において、早産予防法の足がかりとなる重要な研究であると考える。
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