研究課題/領域番号 |
20K18211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
重田 昌吾 東北大学, 大学病院, 講師 (90842633)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 婦人科悪性腫瘍 / EZH2 / BAZ2A / ARID1A / 凝固 / SWI/SNF / 婦人科癌 / 卵巣明細胞癌 / エピゲノム / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
一部の婦人科悪性腫瘍においては、SWI/SNFと呼ばれる遺伝子の一群に高頻度に変異が見られることが知られている。これらの癌に有効な可能性がある治療薬が様々な研究で報告されているが、これまでに報告された臨床試験結果を参照するかぎり単剤での効果は十分とは言えない。本研究では、既存の実験モデルに加えて癌オルガノイドと呼ばれる新しい実験モデルを応用することで、SWI/SNF遺伝子変異を有する卵巣癌や子宮体癌で特に有効である治療薬の組み合わせを確立することを目的としている。
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研究成果の概要 |
婦人科悪性腫瘍の領域では、卵巣明細胞癌などを中心にSWI/SNFと呼ばれる複合体に関連する遺伝子異常が高頻度に検出される。SWI/SNF複合体関連の遺伝子異常をもつ悪性腫瘍ではEZH2と呼ばれるタンパク質の阻害剤が有効である可能性が先行研究で示されている。 この研究では、SWI/SNF複合体関連遺伝子異常を持つ卵巣癌細胞と異常のない卵巣癌細胞を用いた比較検証により、BAZ2Aと呼ばれるタンパク質に対する阻害剤を併用することにより卵巣癌においてEZH2阻害剤の腫瘍増殖抑制効果が増強されることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EZH2阻害剤は臨床応用に向けた臨床研究がおこなわれているが、単独の投与では固形癌において有効な効果を得るには十分でない可能性が指摘されている。卵巣癌細胞を用いてBAZ2A阻害剤を併用することでEZH2阻害剤の効果を増強できる可能性を示したこの研究成果は将来卵巣癌に限らずSWI/SNF複合体関連医遺伝子の異常を有する悪性腫瘍の治療選択を広げる可能性がある。 また、本研究結果はこれまで癌治療領域で注目されることの少なかったBAZ2Aの阻害剤開発の意義を示した点でも重要であると考えられる。
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