研究課題/領域番号 |
20K18214
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山脇 芳 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90650622)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 卵巣がん / 3次元培養 / プラチナ抵抗性 / ペントースリン酸経路 / がん幹細胞 / 3次元培養系 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、新規開発した患者由来卵巣がん幹細胞の3次元スフェロイド細胞培養系を利活用し、卵巣がん幹細胞の治療抵抗性獲得機序の解明を目的として研究をすすめている。これまでに、卵巣がん幹細胞の治療抵抗性獲得に寄与する分子としてペントースリン酸経路(PPP)に関与する一群の酵素を同定し、プラチナ抵抗性獲得にPPPの活性化が重要であることを明らかにした。しかし、PPPの活性化が治療抵抗性にどのように寄与するのかは未だ明らかでない。本研究では、上記実験系と臨床材料による解析を駆使し、PPPを基軸にした卵巣がん幹細胞のプラチナ抵抗性獲得機序の詳細を明らかにし、難治性卵巣がんの根治の足がかりを築くことを目指す。
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研究成果の概要 |
申請者らが新規確立した3次元培養系である、患者由来卵巣がんスフェロイド細胞を用いた網羅的遺伝子発現解析により、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)が卵巣がんのプラチナ耐性に関与する分子であることを発見した。初回化学療法後にプラチナ抵抗性が生じた卵巣がん患者に対してプラチナ製剤とG6PD阻害剤を併用することにより、プラチナ製剤の効果を回復させることができる可能性を見出した。本研究で用いた解析手法を用いることで、他の薬剤での耐性機序に関与する分子を同定可能であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣がん患者の腹水より、3次元培養細胞である卵巣がんスフェロイド細胞を複数作成した。卵巣がんスフェロイド細胞の抗がん剤感受性の違いに着目した新しい解析手法により、プラチナ製剤の耐性機序に関与する分子として、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)とそれに関与する一群の酸化還元酵素を同定した。プラチナ製剤の一種である抗がん剤シスプラチンとG6PDの阻害剤を併用することで、プラチナ製剤への耐性を克服できることを細胞増殖実験およびマウス実験の結果より見出した。同様の手法を用いることにより、他の抗がん剤に対する耐性機序を発見することも可能と考えられた。
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