研究課題/領域番号 |
20K18233
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
竹田 純 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60813459)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 人工知能 / 機械学習 / 胎児心拍数陣痛図 / 脳性麻痺 / 分娩管理 / 胎児機能不全 / 子宮収縮 |
研究開始時の研究の概要 |
胎児心拍数陣痛図(以下、CTG)から得られる胎児心拍と子宮収縮のデータおよびそのCTGパターンに対応する専門医師の行動とそのタイミングを人工知能に機械学習させ、CTGパターンと背景因子の関係性を明確化することで、正しいタイミングでの急速遂娩術を行い分娩による脳性麻痺の発生を回避することを目的とする。本研究ではCTGから得られるデータのクリーニングと補正、CTGパターン分析のサンプルアルゴリズムの作成、アルゴリズムに則ったCTGと背景因子の機械学習の実施、機会学習から得られた最適な行動とそのタイミングの分析という段階を経て行われる。
|
研究実績の概要 |
胎児心拍数陣痛図(CTG)の機械的波形解析に向け、まず胎児心拍の基線の同定を移動平均を用いて算出した。また一過性徐脈の判定は定められた基線から5bpm以上の心拍の減少があったと定義し、解析を行った。その結果として、臨床的に意義の無い少しの基線の変動も一過性徐脈と判定されることが多いことと、遅発一過性徐脈のように基線からの変化は少しではあるが臨床的意義の大きい一過性徐脈が見落されるという2つの問題点があることが分かった。そのため、上記の基線からの減少量を検出する方法(従来法)と他の方法を組み合わせることで一過性徐脈の偽陰性率および偽陽性率を下げることを試みた。従来法と異なるCTG解析として変化点検出法を用いることとした。変化点検出法はBayesian online法、Rupture PELT法、Change finder法の3種類を用いることとし、20例のCTGを、それぞれ、産婦人科専門医の読影結果と従来法での検出と比較したところ、Rupture PELT法において従来法で検出できなかった遅発一過性徐脈を検出し、かつ、検出した部分は産婦人科専門医の読影した遅発一過性徐脈の部分と概ね一致する部分であった。ただし、課題として機械的に検出された一過性徐脈と産婦人科専門医が読影した一過性徐脈の開始および終了時点が異なると、一致率の評価の際に正しい判定を行うことができないため、評価法についても検討が必要である。今後の方針として、変化点検出法の偽陽性率と偽陰性率を更に下げるためのアルゴリズムを作成し、多くのCTGを機械学習させるべく読み込む予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胎児心拍数陣痛図(CTG)の機械学習のプロトコルとして変化点検出法を用いることによって、従来の方法では検出不可能であった遅発一過性徐脈を検出することが出来るようになったが、大量のCTGを判読させる機械学習の開始にまでは至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
胎児心拍数陣痛図(CTG)の検出として行った変化点検出法の精度を高めたのちに、大量のCTGを判読させる機械学習を行っていく。
|