研究課題/領域番号 |
20K18279
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北田 有史 京都大学, 医学研究科, 医員 (50869584)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 鼻・副鼻腔 / 移植治療 / ヒトiPS細胞 / 線毛上皮細胞 / コラーゲンビトリゲル / ヌードラット / X-SCIDラット / コラーゲンスポンジ / 気道上皮シート / 移植 / 鼻副鼻腔 / ビトリゲル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、根本的治療法のない線毛機能不全症候群や嚢胞性線維症などの気道上皮細胞機能不全を起こす遺伝子疾患に対する移植治療のための基盤的技術開発として、様々な条件の足場上でヒトiPS細胞由来気道上皮細胞シートを作製し、複数種の免疫不全ラットの鼻腔、副鼻腔への移植法を検討し、抗ヒト核抗体などによる免疫染色法を用いた組織評価や生着細胞の機能評価を行い、最も高効率に移植細胞が生着する条件の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、ヒトiPS細胞由来気道上皮を免疫不全ラットの鼻腔粘膜欠損部に移植し、鼻腔粘膜機能不全に対する治療法の基盤技術と病態メカニズム解析に必要な鼻腔粘膜ヒト化モデルを作製することである。このため、掻把部の深度や面積などの鼻腔呼吸上皮剥離条件、使用する細胞株や足場、レシピエントラットなどの移植条件の最適化を行った。確立された条件で6匹の免疫不全ラットへの移植を行ったところ、4匹のラットでヒトiPS細胞由来細胞の生着が見られ、これらヒトiPS細胞由来生着細胞は気道上皮構成細胞種を含むことが確認できた。以上、免疫不全ラット鼻腔にヒトiPS細胞由来気道上皮を生着させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は遺伝性疾患や外傷などによる粘膜機能不全に対する移植治療のための基盤技術の確立として有用であり、移植細胞を嗅上皮に変えることで嗅覚異常への応用も可能であり、波及効果が期待できる。また鼻腔は管腔面が気層で呼吸の刺激にさらされる特殊な環境であるため、鼻腔ヒト化ラットは培養細胞を用いた培養液中での治療薬の検証よりもより生体に近い効果を検証可能であり、創薬研究にも有用である。COVID-19における嗅覚障害の発症メカニズムの解析や治療薬の検証にも応用可能であり、社会的意義は大きいと考えられる。
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