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細胞老化に焦点を当てた、老人性難聴の治療法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20K18286
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

土橋 奈々  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20826333)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード細胞老化 / 老人性難聴 / セノリティック薬 / 内耳障害 / 難聴
研究開始時の研究の概要

老人性難聴は1500万人を超す罹患者を持ち、聴力低下そのものに加え、社会的影響も甚大な疾患である。酸化ストレスの蓄積がその原因と推測されるも、病態解明はなかなか進ま ず、確立された根本的治療法はない。近年の研究から、老化細胞の蓄積が加齢性疾患の発症に強く関与することが明らかとなってきた。本研究では、細胞老化の観点から老人性難聴の病態解明、治療に繋げることを目的とし、内耳老化モデルマウスや老化細胞除去マウスを用いて、老化細胞除去の聴力に与える影響を明らかにするとともに、より効果的な難聴予防・治療のために老化細胞の分泌機能に着目した解析を行う。

研究成果の概要

老人性難聴の病態に老化細胞が関与している可能性から、老化促進マウス(SAMP8)とその対照マウス(SAMR)を用いてABRを用いた経時的な聴力測定と、内耳における老化細胞の検出を行った。予想に反し、老化細胞は8週齢という早期の段階でらせん神経節細胞に蓄積していることが明らかとなり、6月齢でもらせん神経節細胞での有意な発現を認め、有毛細胞や血管上には明らかな経時的な蓄積を認めなかった。老化細胞に選択的細胞死を誘導する活性をもつセノリティック薬を投与したが、この度の検討では明らかな聴力改善は得られなかった。このことは、細胞老化が聴覚に及ぼす影響を改めて見直す必要性を示唆している。

研究成果の学術的意義や社会的意義

老人性難聴は1500万人を超す罹患者を持ち、聴力低下に加え社会的影響も甚大な疾患であるが、病態解明や根本的治療法の開発は進んでいない。一方、酸化ストレスなどで誘導される老化細胞の蓄積が加齢性疾患の発症に強く関与することが明らかとなってきた。本研究では老人性難聴における細胞老化の意義について検討した。当初老人性難聴の進行に老化細胞の経時的蓄積が関わると推測したが、実験の結果、老化細胞は若年マウスのらせん神経節細胞に発現著明であり、細胞老化がむしろストレスによる組織の変性を防ぎ、組織の修復を促進する方向に働くのではと考えられた。今後の研究で内耳の細胞老化の機能、聴覚に与える影響の解明が望まれる。

報告書

(5件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2025-01-30  

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