研究課題/領域番号 |
20K18298
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
河内 理咲 関西医科大学, 医学部, 助教 (70620756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 呼気一酸化窒素 / 鼻腔FENO / 睡眠時無呼吸症 / OSA / FENO / 重症睡眠時無呼吸 / CPAP / 鼻腔NO / 呼吸抵抗 / 呼気中一酸化窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は、現代病のひとつとされ増加の一途を辿っている。その診断と病勢把握に終夜ポリソムノグラフィー (PSG)が必要である。鼻腔の閉塞や気流の変化がOSAの病態に関与するが、PSG結果との関連性は検討されていない。近年、喘息などの気道炎症性疾患の病勢マーカーとして、呼気中一酸化窒素(FENO)が臨床応用されている。NOは主に気道上皮で産生され、炎症や酸化ストレスでその産生が亢進することが指摘されているが、その詳細なメカニズムは明らかにされていない。 本研究では、OSAの病態形成における鼻腔ストレスの役割を明らかにし、OSAの病勢マーカーとしての鼻腔NOの臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
重症OSA症例にCPAPの導入前後で鼻腔NOと鼻粘膜擦過液を比較検討した。鼻腔NOは導入後に有意に低下した。気道粘膜においてiNOS発現の誘導、NO産生が関連すると考えられた。擦過液は、抗老化分子のSIRT1、低酸素で誘導される転写因子HIF-1α、マクロファージの遊走や活性化に関係する蛋白MIFを比較検討した。OSAでは低酸素ストレスでSIRT1発現が低下、HIF-1α発現が亢進し、MIFやiNOS(が誘導された。導入後はSIRT1の発現が増加し、HIF-1αは抑制されMIFやiNOSが抑制されていた。酸化ストレスの解除による変化であると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
OSAは近年ますます増加傾向にある疾患である。病勢の把握にはPSGが必要であるが決して簡易な検査ではない。OSAでは、睡眠中に反復する上気道閉塞に起因する酸化ストレスや炎症性サイトカインの上昇が、気道粘膜においてiNOS発現の誘導、NO 産生の亢進を来たすと考えられた。また、低酸素ストレスでSIRT1発現が低下、HIF-1α発現が更新し、MIFやiNOS(誘導型NO合成酵素)が誘導されることもわかり、CPAP導入で正常化されると示唆された。OSAの粘膜局所での変化を評価することでその病態を詳細に把握することができ、今後の無呼吸治療で病勢や治療効果を判定する一つの方法となる可能性が示唆された。
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