研究課題/領域番号 |
20K18323
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中村 真浩 順天堂大学, 医学部, 助教 (20646236)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 鼻副鼻腔 / アレルギー性鼻炎 / フィラグリン / 上皮電気抵抗値 |
研究開始時の研究の概要 |
フィラグリンは表皮角化細胞と口腔や咽頭の上皮細胞に発現することが報告されているが、鼻副鼻腔粘膜および下気道粘膜においては、その存在および発現を制御する因子については、国内外を問わずほとんど解明されていないのが現状である。本研究では鼻副鼻腔粘膜におけるフィラグリン発現とバリア機能の相関を、in vitroにおいて上皮電気抵抗値の測定により客観的に証明する。また、フィラグリンのヒト鼻粘膜上皮における発現増強因子を、培養鼻粘膜上皮細胞への抗菌ペプチドやサイトカインによって刺激し探索する。そこでフィラグリンの増強作用が明らかとなった物質を用いて培養細胞の刺激を行い、それによる上皮電気抵抗値の変化を確認する。
|
研究成果の概要 |
鼻副鼻腔粘膜上皮細胞のバリア機能をmucosal impedanceについてTissue Conductance Meter AS-TC100を用いて測定し評価した。これまで困難だったバリア機能評価を、鼻粘膜に接触させることで低侵襲かつ簡便に定量的に計測でき、アレルギー性炎症を伴う状態では減弱し薬物治療介入にて増強することを確認できた。また、好酸球性副鼻腔炎症例においては鼻粘膜部位別の上皮電気抵抗について評価に着手した。 更にこのモニタリング方法を併用し、バリア機能増強に関与するタンパクの探索を行うことで、アレルギー性鼻炎などの鼻副鼻腔疾患に対する新規機序による治療開発に役立てる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、世界の先進国を中心にアトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎で知られるatopic diseaseの有病率は増加の一途を辿っている。各種産業の発展による大気中のアレルギー惹起物質や有毒物質の増加が一因と考えられ、これら抗原暴露を促進するアジュバントから上皮レベルで防御することがアレルギー疾患の予防および進行の防止の上で求められている。 本研究の成果によって鼻副鼻腔粘膜のバリア機能の低侵襲なモニタリングの確立とバリア機能増強タンパクの探索によりアレルギー性鼻炎を始めとする上気道疾患の早期介入、予防の新規開発の一助となり臨床的に極めて意義深い研究となった。
|