研究課題/領域番号 |
20K18359
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
春日 俊光 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80568189)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 緑内障 / 眼圧 / 細胞外マトリックス / ペリオスチン / 線維柱帯組織 / 前房水 / 線維柱帯 |
研究開始時の研究の概要 |
コラーゲン分子を架橋する作用をもつ細胞外マトリックス・ペリオスチン(POSTN)が線維柱帯に発現していることを発見したことを契機に、POSTNがアトピー緑内障の原因物質ではないかと考え研究を進めてきた。ヒト前房水を用いた検討からPOSTNが原発開放隅角緑内障(POAG)患者の前房水および線維柱帯組織に確認できることから、線維柱帯へのPOSTN沈着がアトピー緑内障のみならず、POAGの発症にも関連しているとの仮説をたてた。仮説を検証するためにヒト臨床サンプルおよび遺伝子改変マウスを用いた実験を遂行し、線維柱帯組織におけるPOSTN発現と緑内障眼における眼圧上昇との関連を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
今年度はマウスPOSTN分子の制御による眼圧コントロールを目標に研究を遂行した。具体的にはPOSTNトランスジェニックマウスに抗マウスPOSTN中和抗体を投与し、線維柱帯におけるPOSTNの発現量を減少させられるか、また眼圧を低下させることが可能かを目標に実験を進めた。その準備としてPOSTNリコンビナントタンパクを作成し、POSTN抗体の自作をする計画であったが、リコンビナントPOSTNタンパクがその分子量の大きさのためか、うまく産生されないため、POSTN分子の構成ペプチドを複数個作成し、ペプチドによるカクテル抗体を作成した。現在その抗体の中和能力を検証している。中和抗体が完成した時点て、今後当初の計画通り、抗マウスPOSTN中和抗体を投与した状態での濾過手術を施行し、POSTN発現抑制の臨床応用の可能性を探求する。 また、 POSTN欠損およびトランスジェニックマウスに対して、濾過手術を施行し、POSTN分子の有無による濾過胞の形成、浸潤マクロファージ数、α-SMA発現量を定量し、濾過胞瘢痕化に対するPOSTNの影響を評価した。その結果、POSTN分子の存在が、濾過胞の形成にはマイナスに作用すること、浸潤マクロファージ数とα-SMA発現量を増加させ、濾過胞瘢痕化の進行に働くことを発見した。今後、これまでの遺伝子レベルでの解析と合わせて、POSTN分子が濾過胞形成に働く際の機能的意義を明らかにすることで、臨床へ還元することを目指すとともに、その成果を学術雑誌に投稿することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗POSTN中和抗体の作成のためにリコンビナントPOSTNの作成を目指したが、技術的な問題から方向転換を余儀なくされたため。
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今後の研究の推進方策 |
抗POSTN抗体はPOSTN分子由来のペプチドを複数個用いたカクテル抗体を作成し、現在その生理活性を検証中である。抗体が完成次第、動物実験に導入したい。
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