研究課題/領域番号 |
20K18389
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
辻中 大生 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (50596749)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 網膜色素上皮 / 喫煙 / ブルーライト / iPS由来網膜色素上皮細胞 / メラニン量 / 青色光 / 網膜色素上皮細胞 / ハイドロキノン |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性などの病的状態では、色素上皮の機能不全に伴い、黄斑部の色素ムラが発生することが知られている。これには、色素上皮細胞数そのものの減少の可能性もあるが、色素上皮のメラニン産生能力が低下しているとも考えられる。 しかし、これまで多く用いられてきた培養色素上皮細胞は生体的色素上皮細胞とは異なりも ともと色素の産生能が低いものが多く、メラニン色素の研究がほとんどなされていないのが 現状である。本研究では、病的状態における黄斑部に生じる色素ムラが起こる原因を究明し、加齢黄斑変性の発生機序解明ならびに治療法の開発につなげる、ということを目標とする。
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研究成果の概要 |
網膜色素上皮(RPE)の異常な色素沈着や色素失脱は加齢黄斑変性(nAMD)の前駆病変として知られている。今回我々はRPE由来細胞を用いて、喫煙に含まれるヒドロキノン(HQ)のメラニン産生に及ぼす影響を評価した。HQの短期投与では、メラニン量は低下したが、長期投与はメラニン量を増加させた。メラニン量の減少した群では、ブルーライトの透過性が亢進していた。これは脈絡膜の光障害を誘発している可能性がある。また逆に、メラニン量の増加した群は、青色光の刺激によってVEGFの発現量が増加していた。RPEのメラニン量のムラがVEGF産生に影響を与え、nAMDの発症に影響を与えている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢黄斑変性は、中途失明の原因として社会的に大きな問題となっており、あらたな治療法が模索されている疾患でもある。これまで、加齢黄斑変性の発症に、網膜色素上皮細胞の色素むらが前駆病変として指摘されていたが、その原因や、病態における役割は不明であった。今回、色素上皮のむらによって、加齢黄斑変性の発症要因となるVEGFの発現量が変化することを突き止めたことは、病態解明にとって大きな意味を持つと考えらえる。色素上皮のむらを解消するための薬剤や、治療法がみつかれば、加齢黄斑変性の発症そのものを抑制できる可能性を秘めており、今後、これらの薬剤が加齢黄斑変性抑制のブレイクスルーになるかもしれない。
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