研究課題/領域番号 |
20K18399
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
大庭 慎平 関西医科大学, 医学部, 助教 (60759538)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 網膜静脈分枝閉塞症 / 網膜静脈閉塞症 / 無灌流領域 / 網膜側副血行路 / 虚血網膜 / 網膜新生血管 / 網膜血管閉塞症 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、既に側副血行路の形成過程および病的新生血管の形成過程をOCTAで追跡可能であることを示した。本研究において、NPA周囲の既存毛細血管網の位置や数を明確にし、治療が必要なRVOと側副血行路が形成され自然軽快するRVOの差異を明らかにする。さらには、側副血行路形成に寄与する既存毛細血管のリモデリングにeNOSが関与することを示す。このことから、従来の抗VEGF抗体投与に加えて、一酸化窒素:NOおよびNO合成酵素をターゲットとした新たな予防・治療戦略の策定に繋げる。
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研究成果の概要 |
生後2か月のBALB/Cマウスに全身麻酔下で網膜光凝固を行い、網膜静脈分枝閉塞症による広範な網膜無灌流領域(NPA)を光干渉断層網膜血管造影(OCTA)を用いて確認した。その個体に尾静脈からフルオレセイン/デキストランを注入後、眼球を摘出、網膜を展開してフラットマウント標本を作成するとともに血管内皮CD31を免疫染色し、無灌流領域となった部分の網膜血管の退縮を観察した。結果は網膜光凝固術後、8日から15日の間で深層、浅層の網膜血管から退縮し、最後に中間層が退縮することがわかった。SEWを注入したマウスに光凝固を行ったが、最初に形成されたNPAに網膜血管が再灌流することはなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜静脈閉塞症が発生して眼球組織が虚血に陥れば、網膜新生血管や隅角新生血管といった、病的血管新生が起こり放置すれば失明に至る。一方で虚血組織に対して生理的新生血管が起これば問題なく治癒する。しかし臨床の場において、これらのどちらが今後起こるかは臨床的に予測困難であり、現在も眼科領域におけるトピックスとなっている。今回、従来の造影剤を使用することなく非侵襲的に網膜血管を描出できるOCTAや、ヒトでは不可能な組織学的手法を用いて実験的に虚血網膜を作成、網膜血管側副血行路または新生血管の形成を観察することで、病的血管新生を回避させる可能性のある新たな治療法を模索する。
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