研究課題/領域番号 |
20K18435
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
細見 謙登 信州大学, 医学部, 特任助教 (90793787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 血管新生 / 血栓形成 |
研究開始時の研究の概要 |
形成外科臨床では『血管』に起因する重要な諸問題があり、これは新生血管と血栓形成に集約される。そこで本研究では、血管新生と血栓形成の両者の共通基盤となる可能性がある分子の解析により、以下の研究を進める。 ①基礎研究:マウス虚血皮弁モデル等を利用し、遺伝子ノックアウトマウスなどを用いて皮弁生存と血流変化等を解析し、血管構築・新生、血栓・疼痛の病態の原因を探索する。また、in vitroの実験により細胞レベルでの血管新生と血栓形成機序の解析を行う。 ②臨床研究:共通基盤候補分子のヒト検体での血中濃度等を解析し、上述の臨床上のリスク層別化や病態を評価するバイオマーカーとなりうるか検討する。
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研究成果の概要 |
形成外科臨床では『血管』に起因する重要な諸問題があり、これは新生血管と血栓形成に集約される。そこで本研究では、血管新生と血栓形成の両方の基盤となるメカニズムの解明を目的とし、以下の研究を進めた。 ①虚血皮弁モデルマウスを用いて、遺伝子ノックアウトマウスを用いて皮弁生存面積と血流変化を解析し、術後3日目と5日目における遺伝子改変マウスでの皮弁生存率と血流の有意な低下を認めた。 ②血管腫血管奇形患者の血液検体を解析したところ、静脈奇形患者(n=10)において、既報の通りD-dimerの上昇(平均5.64μg/mL)を認めたが、候補分子血中濃度は健常人(n=13)と比較して有意な差は認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷、腫瘍切除、先天性疾患等により欠損した組織を補填するために行われる組織移植では、血流確保、すなわち血管新生確保と血栓形成防止が不可欠である。これらは別々の視点で捉えられてきたが、我々はその両方を同時に制御し、基盤となるメカニズム解明を目指した。それにより組織移植時のバイオマーカーの確立、特定の受容体を標的とした薬剤開発等につながると期待されるためである。本研究の虚血皮弁モデルでは、想定した分子が血管新生促進的に機能する可能性が示唆され、血管奇形患者血液では血栓形成への関与は不明だった。今後、同マウスモデルやヒトの相当する病態で新生血管と血栓形成および疼痛との関係について解析を行いたい。
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