研究課題/領域番号 |
20K18453
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大竹 正紀 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00736621)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ストレス / 慢性痛 / 脳 / 非ステロイド系消炎剤 / 顔面痛 / 痛み / 非ステロイド / 咬筋 / 痛覚過敏 / 社会的敗北ストレス / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 慢性疼痛 / COX阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
顎顔面部のストレス誘発痛は、三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)における機能の変調を中枢神経メカニズムとすることから、ストレス誘発痛を制御するためには中枢神経指向性のアプローチが必要である。近年、COX阻害剤が中枢神経系に作用し、ストレスが引き起こすウツなど、負の生体応答を改善できることが解明された。この点に着目し、①ストレスがVcでのCOX活性を上昇させることで痛みを増強させるメカニズム、そして②上昇したCOX活性に対するCOX阻害剤の介入が、ストレス誘発痛を軽減させる中枢神経メカニズム、を解明し、COX阻害剤の新規役割を探究する。
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研究成果の概要 |
心理ストレスは顔面痛を増大するが、その脳基盤はストレスに伴う脳機能の変調である。中でも中枢神経系でのCOX活性による神経興奮の増大がストレスによる不安やうつ状態の発現に関与する。本研究では非ステロイド系消炎剤(NSAIDS)の投与がストレス誘発痛の軽減に関与するかどうかを明らかにすることである。モデル動物による検討の結果、連日のNSAIDS投与はストレス誘発性の不安行動を軽減するものの、咬筋痛の軽減にはいたらなかった。以上の事実は、COX活性の阻害は負の情動生成を制御できることが示唆されることは明らかである一方、痛みに制御という点では十分でないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の報告同様、非ステロイド系消炎剤はストレス軽減効果があることを明らかにした。とりわけ不安行動の軽減効果は顕著であった。一方、ストレスが引き起こす顔面痛の軽減効果については有意な軽減効果を認めなかった。つまり不安軽減効果をもたらす量では有効ではなく、一方、使用量を増やすとストレス誘発性の咬筋痛を軽減できたが、胃潰瘍など副作用の発現が確認された。よってこの点を克服できれば、日常的な薬物であるNSAIDSにはストレス誘発性の慢性痛を制御できることが推測できる。また脳内のCOX活性を軽減するという意味で、全身の運動療法が効果的であることから、今後は、そのような方向性で本課題を発展させる予定である。
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