研究課題/領域番号 |
20K18461
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
松山 佳永 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10848360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 味蕾 / オルガノイド / 分化 / Mash1 |
研究開始時の研究の概要 |
QOLが重要視される現代において、味覚障害は注目を集める疾患のひとつである。高齢者では味蕾の数の減少が報告されているが、味蕾の維持や構成する細胞群の分化に関しては、不明な点が多い。本研究では、味蕾オルガノイドを活用し、舌上皮の幹細胞から味蕾細胞への分化プロセスにおける転写因子Mash1の役割を調べる。本研究により味蕾細胞の分化制御メカニズムを明らかにすることは味覚障害の病態解明につながると考える。
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研究成果の概要 |
新生仔マウスの初期発生味蕾と味蕾オルガノイドを用いて、Ascl1発現細胞系譜を検索した。Ascl1発現細胞は初期発生味蕾と味蕾オルガノイドにおいてII型およびIII型細胞マーカーを発現したが、II型細胞の共発現率はIII型細胞よりも低かった。Ascl1発現細胞を欠損させた味蕾オルガノイドでは、II型細胞とIII型細胞の生成が抑制されることが明らかになった。これらの結果は、Ascl1発現前駆細胞がIII型と一部のII型味細胞に分化する可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
味蕾の発生、恒常性の維持には複数のシグナル伝達経路が関わることが報告されているものの、詳細なメカニズムは不明なままである。本研究により、転写因子Ascl1がIII型細胞だけでなく一部のII型細胞の分化過程で発現することが明らかになった。食生活は栄養学的側面だけでなく、精神的健康にも大きく影響する。QOLが重要視される現代において、味蕾の発生過程における生物学的プロセスを解き明かすことは、味覚障害の病態解明、さらには治療法の開発に貢献すると考える。
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