研究課題/領域番号 |
20K18472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
河村 智子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10838642)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 口腔がん / 細胞接着 / 脂肪酸合成 / メトホルミン / 口腔がん細胞 / 悪性化 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔がんは浸潤性が高く、頸部リンパ節に高頻度に転移する深刻ながんであるが、悪性化のメカニズムは明確には解明されていない。一方、糖尿病治療薬として知られるメトホルミンは、多くのがんにおいて抗がん効果が示されている。これまでの研究で口腔がん特異的な薬剤標的を見出すためのツールとしてメトホルミンを使用してきた結果、がん転移の初期段階であるがん細胞の遊離と浸潤を抑制することを見出し、さらに、この抗がん作用は既知のがん悪性化に関与する細胞内シグナルを介していないことが強く示唆された。そこで本研究は新視点からの口腔がん治療薬開発を目指して、口腔がん細胞の遊離と浸潤を抑制する分子メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
口腔がんは浸潤性が高く、頸部リンパ節に高頻度に転移する深刻ながんであるが、その悪性化のメカニズムは解明されていない。本研究では、口腔がん細胞は正常組織の細胞よりも脂質の代謝が亢進しており、それを抑制すると連動してカルシウム依存的に細胞と細胞を接着させる細胞接着分子であるE-cadherinの機能を弱めることができ、細胞同士の接着が剥がれると、最終的にがん細胞死を誘導できることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、新たな口腔がんのための抗がん薬の標的分子が見出された可能性があり、今後より確実にそれらの分子の機能を阻害する薬剤を開発することで、より特異的な治療法の創出につながるのではないかと考えている。また、接着の制御による新たながん細胞死の誘導の機構を示せたことで、がん細胞における接着の重要性を提唱できたのではないかと考える。
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