研究課題/領域番号 |
20K18499
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
橋本 健太郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80825662)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | HMGB1 / 歯髄 |
研究開始時の研究の概要 |
歯髄炎・歯髄壊死は通常う蝕などの細菌感染に継発するが、明らかな細菌感染がない支台歯形成、外傷後などにも継発することがある。近年ネクローシスをおこした細胞より放出される核内タンパク質であるhigh mobility group box 1(HMGB1)と非感染性炎症疾患との関連が報告されている。さらにはアポトーシス、ネクローシス以外の細胞死としてネクロプトーシスと称される制御された壊死が報告されており、その際HMGB1などの放出が誘導される。本研究では以上の背景をもとに、歯髄疾患とHMGB1の関連を追究し、非感染性炎症やネクロプトーシスを介した歯髄疾患の新規病態機序の解明を図ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
HMGB1の炎症性メディエーター産生誘導能や炎症歯髄でのHMGB1発現の関連を調べるために、株化マウス歯乳頭細胞(MDP)を用いて各種温度で処理した細胞上清をMDPに添加した。その結果52℃の処理においてHMGB1タンパク質の萌出の増加、症性サイトカインであるInterleukin-6 (IL6)の遺伝子発現の増加を認め、NF-kB p65のリン酸化の亢進を認めた。これにより、歯髄組織が一時的であっても高熱にさらされると、HMGB1を含むDAMPs が誘導され、産生されたHMGB1が、NFkBのリン酸化を介して炎症性メディエーター産生を誘導している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
健康寿命の伸ばすためには歯の保存が必要である。歯を長期にわたって口腔内で保存するためには歯髄の保存が重要である。歯髄炎・歯髄壊死は歯髄を失う原因である。通常の歯髄炎ではう蝕によっておこるが、う蝕のない歯においても歯髄炎や歯髄壊死を認めることがある。High mobility group box 1(HMGB1)と呼ばれる核内タンパク質はダメージを受けた細胞から放出され炎症を修飾する。この研究ではHMGB1と歯髄細胞の炎症との関連について調べた。この研究は歯髄における非感染性の炎症のメカニズムの一端を解明する一助となり将来歯髄炎を抑制する治療戦略の創生につながることが期待できる。
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