研究課題/領域番号 |
20K18508
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
池田 淳史 岡山大学, 大学病院, 助教 (60710150)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 破骨細胞 / ADAM17 / Notchシグナル経路 / 歯周病 / ADAMプロテアーゼ / Adam10 / 骨のリモデリング / MRONJ |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は,歯周病原細菌の歯周組織への感染によって生じる破骨細胞がの活性化による歯槽骨の吸収が本態である。 また,歯科の臨床現場では,がんの骨転移による骨関連事象を抑制するために使用される,破骨細胞に作用するビスフォスフォネート(BP)製剤の口腔領域における副作用の一つとして生じるMRONJが大きな問題となっている。 本研究の目的は,ADAM10と破骨細胞との関連を明らかにし,歯周病の発症メカニズムだけでなく,骨のリモデリングにおけるメカニズムの一端をも解明することと,現在歯科領域で問題となっているMRONJを引き起こすBP製剤の代替薬として,本研究結果を応用した新規薬剤を開発することである。
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研究成果の概要 |
最初に、研究責任者が海外で研究していたADAM10と、歯周病の本態である歯槽骨吸収を起こす破骨細胞との関連に着目した。ADAM10が重要な役割を担うNotchシグナル経路が破骨細胞分化に関連するのではないかと考え、研究を開始した。 その結果、ADAM10ではなく、ADAM17が作用することで、Jagged1とNotch2を介したNotchシグナル伝達が破骨細胞分化の極早期に生じていることを解明した。また、歯槽骨吸収モデルマウスでもNotchシグナル伝達を介して破骨細胞が生じていることが示唆された。 今後は、本メカニズムのさらなる詳細を明らかにすれば、歯周病の治療薬などへと応用できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病は、歯の周りの骨を溶かす病気であり、その骨を溶かす役割を担っているのが破骨細胞と呼ばれる細胞である。免疫を担当する細胞が破骨細胞に成長・変化すると言われているが、今回の研究で、その破骨細胞に変化する際の、非常に早い段階で起こっているメカニズムを解明した。今後、このメカニズムをさらに詳細に解明することで、新しい歯周病の治療薬を作ることができる可能性がある。
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