研究課題/領域番号 |
20K18520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
後藤 久嗣 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10783037)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サイトカイン / 歯周病 / ノックアウトマウス / IL-35 / 実験的歯周炎 / Ebi3 / IL-17 / 実験的歯周炎惹起 / Ebi3-/-マウス / 付着上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
IL-35のサブユニットの1つであるEbi3の欠損マウス(Ebi3-/- マウス)に実験的歯周炎を惹起させ、歯周病病態の比較検討を行う。さらに、IL-35および Porphyromonas gingivalis Lipopolysaccharide(LPS)刺激した歯肉上皮細胞の細胞接着に関する半 網羅的な遺伝子発現解析を行うことで、恒常的及び炎症下におけるIL-35の付着の喪失抑制 機序を解明する。このような基礎的研究を基盤とし歯周病治療薬を開発することで、健康寿 命を延伸するという超高齢社会のニーズに答えていきたいと考える。
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研究実績の概要 |
<目的>Ebi3ノックアウトマウスを用いた実験的歯周炎における、Ebi3 遺伝子関連サイトカインであるIL-35やIL-27の役割について検討した。<結果>HE染色による組織学的解析にて炎症性細胞浸潤が、Ebi3ノックアウトマウスおよび野生型マウスの両群における実験的歯周炎群で顕著に認められた。また、μCT撮像の結果より、実験的歯周炎惹起群において、Ebi3ノックアウトマウスにおける歯槽骨吸収は、野生型マウスよりも進行していた。また、実験的歯周炎惹起群の歯肉におけるIL-17Aの遺伝子発現も野生型マウスと比較し、Ebi3ノックアウトマウスにおいて有意に増加していた。その他遺伝子解析においては、Ebi3ノックアウトマウスにおけるIL-10やM2/M1マクロファージ発現比の低下やRNAKL/OPG発現比の増加が認められた。さらに、遺伝子発現で認められた代表的な因子に関して免疫染色を行い、遺伝子発現を裏付けるタンパク産生とその局在を確認することができた。次に、IL-17を産生する CD4-positive cells、γδ T cellsおよび NKT cellsの歯肉組織における比率をFACSにて解析した結果、いずれの細胞も Ebi3ノックアウトマウスの実験的歯周炎群で増加していた。最後に、Ebi3ノックアウトマウスに対して、リコンビナントIL-35を作用させると歯槽骨吸収が優位に抑制された。<結論>Th17細胞がEbi3ノックアウトマウスにおいて実験的歯周炎を増悪させ、IL-35がその抑制に関与していることが示唆された。
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