研究課題/領域番号 |
20K18532
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 友美 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (00807589)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ミトコンドリア / マイトファジー / 歯根膜細胞 / 歯周病 / 老化 / 損傷ミトコンドリア / オートファジー / 歯周組織 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は慢性炎症性疾患であり、そのリスク因子の一つに酸化ストレスが考えられている。オートファジーは外的ストレス刺激時に作動することが明らかとされており、ミトコンドリア選択的なオートファジー(マイトファジー)の機能低下が、歯周組織における活性酸素種 (ROS)の過剰産生に関与していることが申請者らの研究により明らかになりつつある。本研究では、歯根膜マイトファジーが損傷ミトコンドリアを選択的に排除するために必要な標識メカニズムを明らかにすることで、歯周組織におけるミトコンドリアの機能維持とROS制御のメカニズムを解明し、ミトコンドリアの賦活に基づく新規の歯周病予防・治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
老化ヒト歯根膜細胞では損傷ミトコンドリアの増加とマイトファジーの低下が観察され、損傷ミトコンドリアの標識に関係するPARK2遺伝子発現の低下が認められた。PARK2を老化ヒト歯根膜細胞に導入するとマイトファジーが部分的に賦活化した。さらに、老化と酸化ストレス応答に関与するmiR-137やmiR-181aなどのmiRNAが老化ヒト歯根膜細胞で高発現しており、これらの模倣合成オリゴを正常細胞に導入するとROSは蓄積し、阻害オリゴを老化細胞に導入するとROSが減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病は慢性炎症性疾患であり、そのリスク因子の一つに酸化ストレスが考えられている。高齢患者の歯周組織においては、口腔内細菌やメカニカルストレスなどの環境ストレスに対する適応能力が減少する一方で、酸化ストレスの増大が報告されている。本研究成果により、環境ストレスが増大した老化ヒト歯根膜細胞においては、損傷ミトコンドリアの標識システムとオートファジーによるクリアランスの異常が、損傷ミトコンドリアの蓄積の要因の一つであることが示唆された。これらの結果は、ミトコンドリアの機能維持とROS制御に基づく、新規の歯周病予防・治療法開発のための分子基盤の構築につながるものである。
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