研究課題/領域番号 |
20K18534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池上 久仁子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80779116)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯周病 / 細胞老化 / 歯根膜細胞 / Ferritin / 鉄 / 老化 / 歯根膜 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢は歯周病の進行における重要なリスク因子の一つと考えられている。一般に加齢に伴う疾患の増悪には、「細胞老化」が関与しており、ヒトの歯周組織においても加齢に伴う老化細胞の増大が観察される。申請者らは歯周組織の老化細胞において、鉄のキレートタンパクである、Ferritinの発現増加を予備実験において世界で初めて見出した。生体内の鉄は、エネルギーの生産など恒常性維持にとり重要であるが、過剰な鉄は活性酸素を過産生し、組織障害をもたらすことが知られている。本研究では、歯周組織におけるFerritin-鉄代謝の生理的役割を検討し、高齢者に特有の歯周病の病態生理に及ぼす影響を解明する。
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研究成果の概要 |
加齢は歯周病の進行における重要なリスク因子の一つと考えられている。一般に加齢に伴う疾患の増悪には、「細胞老化」が関与しており、歯周組織においても加齢に伴う老化細胞の増大が観察される。申請者らは歯周組織の老化細胞において、有害な二価鉄を無害な三価鉄に還元するタンパクである、Ferritinの発現増加を見出した。生体内の鉄は、エネルギーの生産など恒常性維持にとり重要であるが、過剰な鉄は活性酸素を過産生し、組織障害をもたらすことが知られている。本研究では、歯周組織におけるFerritin-鉄代謝の生理的役割を検討し、高齢者に特有の歯周病の病態生理に及ぼす影響を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯根膜は、歯周組織の修復・再生にとり重要な組織である。老化ヒト歯根膜細胞ではFerritinの発現異常により、細胞内の貯蔵鉄の恒常性維持が破綻することで活性酸素(ROS)が増加している可能性が示唆された。また、老化ヒト歯根膜細胞ではミトコンドリアにおけるクリステの形態異常を認めた。鉄の一部はミトコンドリア内膜に局在することから、マイトファジーに異常をきたした老化細胞内では異常ミトコンドリアが蓄積し、過剰なROSを産生している可能性が示唆された。Ferritin異常を原因とする歯根膜細胞の酸化ストレスは、高齢者の歯周病の有用な治療標的となる可能性が示唆された。
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