研究課題/領域番号 |
20K18538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 晋一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (30778866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 4-META/MMA-TBB resin / Nano hydroxyapatite / dental pulp stem cells / reparative dentin / direct pulp capping / 4-META/MMA-TBBレジン / nano hydroxyapatite / 歯髄幹細胞 / 修復象牙質 / 直接覆髄 / ナノハイドロキシアパタイト / naHAp |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、4-META/MMA-TBBレジンとnaHApの特性を生かして、広範囲の露髄面に象牙芽細胞分化を生物学的に促し、緻密な修復象牙質形成を促進することができる新規直接覆髄材の開発を企図している。本研究から得られる結果は、これまでにない理想的な治癒を導く直接覆髄材創生の基盤となるものであり、将来的に歯髄を健康的に保ち歯牙の長期維持を可能とする新規直接覆髄材の開発へと繋がるものであると考えている。
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研究成果の概要 |
優れた歯質接着性を示す4-META/MMA-TBBレジン(SB)に、硬組織誘導能を有するnano hydroxyapatite(naHAp)を含有させて(naHAp/SB)新規直接覆髄材としての有用性について検討した。naHApを30%含有する30%naHAp/SBは、SBと同様に優れた歯質接着性および生体親和性を示し、CaSR-MEK/ERK経路を介してヒト歯髄幹細胞の象牙芽細胞様細胞分化を促進した。またラット露髄部においては、細管構造を有した修復象牙質形成による露髄面の封鎖を示した。以上の結果より、30%naHAp/SBは新規直接覆髄材として有用である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに歯質接着性を有した直接覆髄材は存在せず、辺縁漏洩による術後感染のリスクが存在する。本研究で開発した新規直接覆髄材は歯質接着性を有しており、辺縁漏洩のリスクを抑え長期的な予後を見込むことができる。また、材料の諸性質の解析に加えて、修復象牙質形成の主役となる歯髄幹細胞の象牙芽細胞様分化に及ぼす影響ならびにその細胞内シグナル経路の解明を行った。さらに、動物実験モデルでは良好な修復象牙質形成効果を認めており、今後臨床応用へと繋げていくことができると考えている。
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