研究課題/領域番号 |
20K18551
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小田島 健二 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (60852770)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マグネシウム合金 / 生体内吸収 / ラット / 脛骨 / 骨形成 / 吸収性 |
研究開始時の研究の概要 |
ラットの脛骨骨膜下に、大きさ1×1×0.1mmのマグネシウム、チタンを移植し、対照群として切開のみを行う。実験後、1、2、8週後に屠殺を行い、SEM/EDXによる分析を行い標本表面の元素解析を行う。マイクロX線CT撮影後、病理組織学的な観察や骨の形態計測を行い免疫組織化学染色にてオステオカルシンの発現を観察する。標本周囲の被膜の元素濃度を計測し、各実験群間および時間による統計処理を行って検討する。マグネシウム移植により周囲組織の骨芽細胞の分化誘導を確認し、新生骨形成への関与を確認する。また細胞の分化誘導には、溶出マグネシウムの他、腐食生成物の影響があるかについても検討を行う。
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研究実績の概要 |
肉眼所見ではMg群Ti群sham群もほぼ創部の治癒は良好で各群に差は見られませんでした。マイクロX線CT所見です。Sham群では、4週で剥離した骨膜面に新生骨形成がみられましたが、2週8週ではほとんどみられませんでした。Mg群では、2,4、8週いずれにもマグネシウムの周囲に新生骨形成がみられ、8週では新生骨がマグネシウムを取り囲んでいました。Ti群でも2、4週で軽度の骨形成が確認されましたが、8週では明らかな新生骨は認められませんでした。金属移植群は、いずれも2週では、標本周囲に軽度の炎症性細胞浸潤を示す肉芽組織の被膜用構造の形成が確認されたました。4週以降ははいずれの群も病的な炎症性細胞浸潤はみられなかった。また移植部の直下の骨面には網状の線維性骨形成が確認されました。形態計測の結果では、標本直下の新生骨形成量の断面積を計測しました。Mg群とTi群では、4週まで増加し8週で減少しました。Sham 群は観察期間で優位な変化はみられませんでした。新生骨量はマグネシウム移植群の2、4週は、3群の中で最大でした。TRAP染色および免疫組織学的染色の所見では、TRAP陽性の破骨細胞は、標本直下またshamope部位の骨表面に確認されました。タイプ1コラーゲンは、移植周囲組織および骨組織に認められました。オステオポンチンはいずれの群でも新生骨内および既存骨内の一部に改造線に一致して確認されました。オステオカルシンは皮質骨表層の骨膜相当部の細胞および既存骨内に確認されました。TRAP染色および各種免疫組織学的染色の結果ですが、TRAP陽性の破骨細胞数は、Sham,Tiは2週で最大となり、4・8週と経時的に減少していきます。Mg群は4週で最大ですが、2週と有意差はありません。そして8週で減少しました。いずれの週においてもMg群のTRAP陽性細胞数が多い結果でした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SEMによる標本周囲組織の解析を行うでさらに標本毎の元素特異的な特徴の有無の精査を行う必要があるが、その分析を行うことができていない。また、免疫染色による評価はOC OPN TYPeICOLだけでなくRUNX2やBMP,IL-6等の染色も追加で行う予定であるが、標本の作製過程に問題が生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
SEMを用いた走査型電顕を用いて、標本周囲の原子の解析を行い、石灰化に関与するCaやPの濃度を計測し標本毎に有意差があるのか検索を行う。免疫染色の評価項目を追加し骨形成に関与するサイトカインの標本毎の差を確認する。肝臓や腎臓でのMg代謝を評価するため、ICP-MSをさらに追加し臓器障害に関する評価を行う。
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