研究課題/領域番号 |
20K18581
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
間中 総一郎 日本大学, 歯学部, 助教 (00754954)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 低出力超音波: LIPUS / 歯周病 / LPS / 低出力超音波(LIPUS) / 骨質 / AT1-PLCβ / NF-κB / Ⅰ型コラーゲン(ColⅠ) / コラーゲン / LIPUS / AGEs |
研究開始時の研究の概要 |
耐糖能異常を含む糖尿病は5人に1人が罹患し、細菌由来のリポ多糖(LPS)で産生される炎症性サイトカインが原因の歯周病と相互関連する。血糖値の上昇で終化糖化産物(AGEs)は増加し、AGEsは老化産物として働くだけでなく、様々な生理活性作用を示す。 低出力超音波(LIPUS)は整形外科の骨折治癒で保険適応かつ臨床応用され、歯科矯正では歯の移動を促進させる事を期待し、臨床応用が始まっている。しかし、LIPUS刺激が糖化時の骨芽細胞への詳細な機序に不明な点が多く、LIPUSがLPSとAGEs存在下での骨芽細胞に及ぼす影響を細胞生物学的・分子生物学的に解明する事を目的とし、本研究を企図した。
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研究成果の概要 |
LIPUSは骨組織中の複数の細胞外マトリックスタンパクの遺伝子とタンパク発現を有意に増加させる。また、LIPUSがATP関連のP2X7受容体を介し、骨形成に影響を与える可能性を示唆した。そして、歯周病に罹患した歯槽骨を想定し、骨芽細胞に歯周病原細菌由来のLPSを添加したLIPUSの影響は、炎症性サイトカインであるIL-1α・IL-6・RANKLの遺伝子とタンパク発現を抑制した。また、LIPUSが骨芽細胞のAT1-PLCβを介し、LPS誘導性の核内移行を減少させ、サイトカインを抑制する可能性を示唆した。 従って、LIPUSが歯周病罹患局所における炎症を鎮静化し、骨吸収を抑制する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病を想定し、骨芽細胞に誘導したLPSおよびLIPUSにおける炎症性サイトカインの影響を検討した論文や研究発表は国内外に問わず見当たらない。そのため、世界レベルで増加傾向にある歯周病の炎症を軽減させるのに、保険適応が認められているLIPUSの影響を検討する本研究は、歯科および医科の両領域においてのLIPUS使用についてEBMの確立の一端を担うと考えられる。さらに、骨折・炎症性骨疾患により惹起された骨吸収およびインプラント治療後の骨結合(オッセオインテグレーション: osseointegration)の確保など、他分野におけるLIPUSの使用の可能性拡大が期待され、大きな意義があると言える。
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