研究課題/領域番号 |
20K18596
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中谷 早希 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (10804487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 接着歯学 / 接着阻害因子 / CAD/CAMレジン冠 / 新規汚染除去剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,臨床上大きな問題になっているCAD/CAMレジン冠の脱離に対する方略として、簡便かつ効果的に接着阻害因子を除去できる「新規汚染除去法の確立」を目的としている.本研究では新規手法として,歯質接着性モノマーである10-MDPの界面活性剤としての作用に着目し、10-MDPを含有した新規汚染除去剤を用いる.実験法としては接着試験,被着面の形態観察や元素分析を行う.また初期のみならず長期データも確認し、長期安定性を確認する.
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研究実績の概要 |
CAD/CAM冠用レジンブロックを#400の耐水研磨紙にて研磨後,60秒間ヒト唾液にて汚染後,20秒サンドブラスト処理,10秒シラン処理を行った. また,支台築造用レジンで作製した築造用レジンブロック試料を#400,600の耐水研磨紙にて研磨し,60秒間ヒト唾液にて汚染後,①10秒水洗する群(wash群)②10秒水洗後,蒸留水下でマイクロブラシにて擦式する群(MB群)③水洗後,カタナクリーナーを含んだマイクロブラシにて擦式する群(MDP群)の3群に分けて汚染除去を行った.また仮着材汚染のない群をコントロール群(Co群)とした.各群をさらにセメント合着する前に築造用レジンブロック試料にボンディング材(ユニバーサルボンドQuick,クラレノリタケデンタル)を塗布した群(B+)としなかった群(B-)に分け, CAD/CAM冠用レジンブロックと築造用レジンブロック試料をセルフアドヒーシブ型接着性レジンセメント(SAルーティングMulti,クラレノリタケデンタル)にて接着し,試料作製した.24時間水中浸漬したのちに,μTBS試験を行った(各群n=20).また破断面はSEMにて観察した. μTBS値は,Co(B-)群が89.2MPa,wash(B-)群が70.5MPa,MDP(B-)群が89.6MPa,MB(B-)群が66.4MPa,Co(B+)群が88.6MPa,wash(B+)群が83.3MPa,MDP(B+)群が77.9MPa,MB(B+)群が84.0MPaであった.すべての群において混合破壊が高い割合で認められた. 以上より築造用レジンにセルフアドヒーシブ型接着性レジンセメントを用いてCADCAM冠を装着する場合においては接着前処置としてボンディング材を築造用レジンに塗布することで、唾液汚染による接着阻害の影響を受けなかったことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020,2021年度はCAD/CAM冠を装着する被着体を象牙質と支台築造用レジンとして仮着材汚染後の清掃方法についての検討を行ってきた.2022年度は CAD/CAM冠を装着する被着体を築造用レジンブロックとしてヒト唾液汚染後の清掃方法について実験を行う予定であった.上記のとおり接着試験はすべて予定通り行われている.
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今後の研究の推進方策 |
今年度までは臨床で想定される接着阻害因子として仮着材,唾液を想定し,その除去効果と接着強さを評価してきた.接着阻害因子としては他に血液も想定される.今後は血液の汚染に対しての清掃法について評価を行なっていく予定である.以下に予定している具体的な研究内容を示す. CAD/CAM冠用レジンブロックを#400の耐水研磨紙にて研磨後,60秒間ヒト唾液にて汚染後,20秒サンドブラスト処理,10秒シラン処理を行う. 築造用レジンブロック試料を#400,600の耐水研磨紙にて研磨し,60秒間ヒト唾液にて汚染後,唾液汚染の実験と同様の3群に分けて汚染除去を行う.各群をさらにセメント合着する前にボ ンディング材を塗布した群としなかった群に分け,CAD/CAM冠用レジンブロックと築造用レジンブロック試料を接着し,μTBS試験を行う. また築造用レジンブロック上に残存する接着阻害因子を詳細に分析することも行う予定である.仮着材汚染した試料はエネルギー分散型X線分光法解析と接触角測定を,唾液・血液汚染した試料はCBB染色と接触角測定を行う.
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