研究課題/領域番号 |
20K18612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
浦野 絵里 昭和大学, 歯学部, 助教 (20756225)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 神経堤由来細胞 / 骨芽細胞 / ケラチノサイト / 再生 / 創傷治癒 / 幹細胞 / 口蓋粘膜 / 骨芽細胞分化 / 骨再生 / 毛包 / 神経堤由来幹細胞 / 高純度培養方法 / 硬組織再生 / 顎骨再建 |
研究開始時の研究の概要 |
広範囲に顎骨が吸収した患者は時に入れ歯の装着やインプラント埋入が困難となり、前処置として骨造成(骨の嵩を増す)を必要とする。我々は、この骨造成に必要な細胞として最小限の侵襲で採取できる毛包内の細胞で、その中でも増殖能の高い神経堤由来幹細胞に着目した。自己の細胞を用いれば拒絶反応や倫理的問題を回避でき、患者にとっても受け入れやすい骨造成法を開発したいと考えた。
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研究成果の概要 |
神経堤由来細胞がEGFP標識された口蓋創傷治癒モデルマウスにて治癒経過を観察した。創傷後2日目より神経堤由来細胞を含む粘膜の新生が認められ、28日目には全体が新生粘膜で覆われた。新生粘膜の神経堤由来細胞には幹細胞マーカーおよびケラチノサイトマーカーが発現していた。培養前の口蓋粘膜細胞は約40%の神経堤由来細胞を含んでいたが、幹細胞用培地で培養すると約90%に増殖した。そのうち約70%が幹細胞マーカーを発現し、これらの細胞はケラチノサイトおよび骨芽細胞に分化した。口蓋には神経堤由来幹細胞が存在し、それらが創傷治癒過程でケラチノサイトに分化することで口蓋粘膜再生が進行すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口蓋は菲薄な粘膜が骨組織に結合した神経堤由来の組織であり、唇顎口蓋裂治療 の口蓋形成術等に伴う創傷治癒過程では、神経堤由来細胞が重要な役割を担うと予想されるが、詳細は不明である。本研究ではマウスの口蓋創傷治癒過程における神経堤由来細胞の役割を解析し、口蓋には神経堤由来幹細胞が存在し、それらが創傷治癒過程でケラチノサイトに分化することで口蓋粘膜再生が進行することが考えられた。以上から神経堤由来細胞は口腔内の創傷治癒過程においても重要な役割を担うことが示唆された。
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