研究課題/領域番号 |
20K18620
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
三浦 大輔 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (40804125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | PEEK樹脂 / 3Dプリンター / 積層造形 / 義歯床 / ポリエーテルエーテルケトン樹脂 / 熱溶解積層法造形 / 加速劣化処置 / 曲げ試験 |
研究開始時の研究の概要 |
【2020年度】3Dプリンターで造形した板状試料の物性評価 ・曲げ強さ・耐摩耗性・表面粗さ・接触角・表面滑沢度・変色試験 【2021年度】口腔内を想定した加速劣化試験後の物性評価 PEEK試料へ加速劣化試験を行い、昨年度同様の物性評価を行う。 【2022年度】劣化試験後試料の検討 ・デジタル顕微鏡・X線解析・SEM像 によりPEEK樹脂の劣化前後の結晶性変化を調べる。 劣化試験後の試料の検討と義歯製作法の検討 仮想空間上で義歯のモデリングを行い、2種類のフィラメントを用いた造形法の検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではPEEK樹脂を医療分野への応用が進んでいる3Dプリンターを使用した熱溶解積層法造形と組合わせることにより,大型補綴装置である義歯床の製作を目的としている.1年目の研究では3D造形PEEK樹脂の成形法に関する検討を行い,積層方向が3D造形PEEK樹脂の機械的性質に影響を及ぼすことを明らかにした.2年目の研究では,造形したPEEK樹脂の加速劣化後の基礎的性質を明らかにした.その結果,加速劣化処置を行った熱溶解積層法造形PEEK樹脂は劣化前の物性とほぼ変化がなかった.造形PEEK樹脂は要介護・要支援患者の口腔内に適応できることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,わが国において要介護者は増加の一途を辿り,歯科医療界でも大きな問題となっている.要介護者が使用する義歯には「生体親和性」「高靭性」「義歯製作時間の短縮」の三つの要素が求められる.PEEK樹脂は靭性に富み,耐疲労性が高く生体親和性が良好なことから金属の代替材料として,様々な歯科補綴物への応用が検討されており,歯科界において極めて有望な材料であるが,この樹脂の歯科での用途は比較的小さな補綴物に限定されている.今回の研究では3Dプリンターで製作したPEEK樹脂は加速劣化後も優れた機械的性質を有していることがわかった.その結果,歯科補綴物にも応用が可能であることが示唆された.
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