研究課題
若手研究
口腔機能および多様な食事摂取による栄養状態の維持・向上は健康寿命の延伸につながることが報告されている。「オーラルフレイル」の概念が提唱されるなか、より早い段階から口腔機能の低下を把握・評価し、「食べる」機能へ口腔・栄養の両面からアプローチすることが重要である。しかし、口腔機能の低下が栄養摂取に与える影響は徐々に明らかになってきたが、口腔機能・栄養管理の複合的な指導・管理効果がどのように口腔機能・栄養状態に影響を与えるかのエビデンスは十分でない。本研究の目的は、口腔機能と栄養状態の相互関係を明らかにし、多職種が簡便に使用できる口腔・栄養が複合した患者教育・管理プログラムを開発することである。
高齢期の口腔機能低下について、多面的に検討を行った。その結果、地域在住高齢者におけるフレイルの発生には口腔機能、栄養が影響していることが明らかとなり、口腔機能と栄養双方の低下は将来のフレイルの発生リスクを増加させることが明らかになった。また、地域歯科医院来院患者において、歯の欠損を有する患者については、口腔機能低下症の該当率は、地域在住高齢者と比較して著しく高いことが判明した。また、パーセンタイル曲線により口腔機能の加齢による低下を描出したところ、咬合力、舌口唇運動機能、舌圧、咀嚼機能が加齢による機能低下が著しい指標である可能性が示唆された。
本研究結果によって、口腔機能低下症の実態が明らかとなり、7項目の口腔機能のうち、3項目を口腔機能低下症として考える現状の評価法に加えて、加齢に伴う低下のパターンや歯科的な問題を抱えている場合の実態、およびその対応法についての基礎的なデータを還元することができたと考えている。
すべて 2024 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件)
日本口腔検査学会雑誌
巻: 16 号: 1 ページ: 15-23
10.15041/jsedp.16.15
http://hdl.handle.net/10130/6416
International Journal of Oral-Medical Sciences
巻: -
IJOMS
巻: 20 号: 4 ページ: 265-272
10.5466/ijoms.20.265
巻: 20 号: 4 ページ: 273-281
10.5466/ijoms.20.273
Geriatrics & Gerontology International
巻: - 号: 12 ページ: 1032-1039
10.1111/ggi.14508
Journal of Dental Sciences
巻: 17 号: 1 ページ: 500-506
10.1016/j.jds.2021.07.022
Archives of Gerontology and Geriatrics
巻: 95 ページ: 104412-104412
10.1016/j.archger.2021.104412
巻: 16 号: 1 ページ: 380-388
10.1016/j.jds.2020.08.010
120007029910