研究課題/領域番号 |
20K18674
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 口腔癌 / サルコペニア / フレイル / 生存 / myokine / 口腔がん / adipokine / 予後 / 運動 / フレイル・サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
【研究の全体構想】本研究は運動や骨格筋から分泌されるmyokineの口腔癌への影響を検討するための一部として口腔癌の制御に関係するmyokineの選出を行うことを目的とする。がん治療は飛躍的な進歩を遂げているが、併存疾患や超高齢化に伴ってベストな治療を選択できないことが増加している。これまでに口腔癌患者において術前の骨格筋量やその脂肪化が予後に大きく影響することを報告してきたが、その機序に関しては不明なままである。口腔癌への運動の関与とその機序を明らかにすることは術前後の運動の有用性だけでなく、新たな治療対象としてのmyokineの可能性も期待できる。
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研究成果の概要 |
口腔癌患者にておいて胸鎖乳突筋の筋肉量および椎骨棘突起周囲筋肉の脂肪化が生命予後に影響することがわかり、予後予測に有用である可能性が示唆された。また、免疫不全マウスへの口腔癌細胞株移植実験において、運動することで口腔癌細胞株の生着、増殖が抑制され、マウスの生存期間も延長することがわかった。myokineを口腔癌細胞株に添加する実験においてmyokineの種類によって効果が異なり、口腔癌細胞株の増殖や遊走等に影響するmyokineが存在することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌患者の骨格筋量および質が生命予後に影響することがわかっただけでなく、頭頸部CTの撮影範囲にある筋肉が選出されたことで経過観察にも有用である可能性ある。また、動物実験の結果を踏まえると、運動による口腔癌予防効果や発癌後も積極的に運動を行うことが生命予後を改善する可能性があることが示唆された。そのメカニズムにmyokineが関与する可能性も示唆されており、治療薬としてmyokineを利用できる可能性もある。口腔癌だけでなく、多くの疾患の予防にとって適度な運動重要であり、健康寿命の延伸に向けて運動の重要性がさらに強調された。
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