研究課題/領域番号 |
20K18691
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
堀田 麻実 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (00754607)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | FGFR1c isoform / EMT / ZEB1/2 / FGF2 / 口腔扁平上皮癌 / CSC / FGFR1c isoform / FGFR |
研究開始時の研究の概要 |
EMTの研究はすでに乳癌細胞などで進められ、EMTは悪性度と正の相関を示す。そこで、本研究では、先述の口腔癌由来細胞株ならびに対比として乳癌細胞を用い、FGFR bisoformの発現とc-isoformの発現変化を調べたうえで、それぞれの浸潤能を評価する。次にFGFRc-isoformに関わると考えられるEMTの分子マーカー(E-cadhrin,N-cadherin,Snail,Slug,ZEB1, ZEB2, Twistなど)の発現を検討し、浸潤性・運動性を指標とした悪性度との関連性を検討する。
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研究成果の概要 |
間葉系様形質を示す口腔扁平上皮癌はESRP1/ESRP2の発現が低くZEB1/ZEB2の発現が高い結果、FGFR c isoformが持続的に発現していることを見出した。反対に上皮系様口腔扁平上皮癌は逆の発現特性を示しており、持続的にFGFR2bisoformが発現している事が明らかになった。重要な事は、ERKsは間葉系口腔扁平上皮癌細胞から自律的に分泌される因子によってFGFR(IIIc)が活性化しERKsが持続的にリン酸化され、ZEB1を高いレベルで発現維持する事に関与していた事である。阻害剤及びsiRNAによるFGFR(IIIc)の拮抗はZEB1の発現をかなり抑制し上皮様形質へ修復した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近FGFRとN-cadherinの結合は双方の膜上の安定性を高めN-cadherinへの接着を増強させ運動性を抑制する事が報告された。間質内を模倣しているとはいえないが、FGFR1IIIc とN-cadherinの相互作用によってあらたなシグナルが構築されている可能性は高い。また膀胱癌及び結腸癌においてE-cadherinが減少したFGFR2IIIbの発現低下が悪性形質に貢献していることが報告された。IIIbが上皮細胞特異的なE-cadherinと結合しEMTを抑制し逆にMETを誘導するようなシグナルを伝達しているとするとこのような会合を制御するような分子も将来治療薬として有用かもしれない。
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